テザリング対応スマホ4機種の「通信速度」と「連続使用時間」を検証:テザリング徹底比較(後編)(2/2 ページ)
スマートフォンをモバイルWi-Fiルーターとして利用するテザリングの通信速度は実際どの程度なのだろうか。またバッテリーの持ちも気になる。後編では通信の実効速度と連続使用時間を調べた。
テザリングの連続使用時間を計測
テザリングの連続使用時間は公開されておらず、実際にどれくらい使い続けられるのかが気になる。そこで今回テストしたスマートフォンのテザリング使用時のスタミナをテストした。各端末の省エネモードをオフにして、画面の明るさは手動で調整して中くらいに、GPSを有効にした。ノートPCと接続して、残量100%から0%になるまで計測を続けた。ただしノートPCは1台しかないため、異なる日に計測した。計測日時は4月中旬の17時から。場所は筆者の住む横浜の住宅街で、少々奥まった部屋だが、特に通信が混雑する要素は周辺になく、毎日通信状況は同じと考えていいだろう。
測定結果は以下の通り。
SC-02C | SC-03D | ISW11SC | GS01 | |
---|---|---|---|---|
通信方式 | 3G | LTE | WiMAX | 3G |
バッテリー容量 | 1800mAh | 1850mAh | 1850mAh | 1520mAh |
連続テザリング時間 | 5時間20分 | 4時間30分 | 7時間 | 6時間45分 |
ISW11SCが7時間と最長だ。約15分で2〜4%消費していく。通話や他の操作をすると、これほど持つことはないだろうが、同じバッテリー容量のXiのSC-03Dと比べても長いので、ISW11SCはスタミナ重視の人に向いているだろう。イー・モバイルのGS01はここでも健闘した。バッテリー容量は小さいが、6時間45分はISW11SCに迫る。バッテリーが30分まったく消費しないときがある一方で15分間に7、8%を消費したりと不安定なこともあったが、結果的には長持ちした。
SC-02CとSC-03Dを比べると、FOMAのSC-02Cの方が長持ちしており、Xiのバッテリー消費が早いという評判通りの結果となった。他社の2機種にスタミナで差をつけられたが、それでも4〜5時間程度のスタミナがあるので、ヘビーユーザーでなければ「ルーターを買うよりスマホのテザリングで十分」という人は多いのでは、と思う。
料金、速度、スタミナから――どのテザリングスマホを選ぶべきか?
2回に分けて各社のテザリングを比較してきたが、総合的にはイー・モバイルのGS01が優れているのではないだろうか。料金は安く、通信も3Gの中では速く、スタミナもある。ただし圏外になった場所もあったように、同じ3GでもドコモのFOMAのほうがつながるケースはあり得る。
ドコモのFOMA・SC-02Cは定額料の上限が高く、連続使用時間も劇的に長いわけではないので「テザリング機能」は選定理由にはなりにくい。ただし3Gエリアは広いので、たまの出張でルーター代わりに使うといった人には良いだろう。テザリングはあくまでおまけ。ライトユーザー向きと考えよう。
Xi対応のSC-03Dはスタミナが一番気になるところだが、4時間30分では「毎日よくテザリングを使う」という人には辛いだろう。通信速度も期待したほどの数値は出ない場所があったが、これから広がっていく地方ではXiが一番速い場所も出てくるだろう。料金も比較的安いので、日本全国を飛び回るビジネスパーソンには良さそうだ。
+WiMAX対応のISW11SCは、通信速度とスタミナという、ヘビーユーザーに好まれそうな部分が好印象。夏モデルの発売が近づけば、毎月割がさらに増額されることも期待できる。そうすればトータルコストが下がり、ドコモのXiとほぼ同じくらいの料金になるのではないだろうか。GS01よりは料金をそれほど気にしないヘビーユーザー、あるいは今後の端末価格次第でライトユーザーにも良いはず。「WiMAXを常用するわけではない」という人には「WiMAXをオフにできる」点も便利だ。
夏モデルでさらにテザリングができるスマートフォンが増えた。端末は違っても通信速度や料金(トータルコスト)はキャリアごとにある程度共通しているので、「テザリング対応スマホ」の購入を検討している人の参考になれば幸いだ。
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