検索
レビュー

「iPhone 5」通信速度はどっちが速い? au vs. ソフトバンク 南武線編「iPhone 5」徹底レビュー

山手線を中心に、東京都内のLTEエリア化を積極的に進めているKDDIに対し、ソフトバンクモバイルは基地局の容量に余裕がある地域からLTEエリアへの切り替えを進めている。つまり、山手線はKDDIが有利だったわけだ。では東京から少し離れるとどうなるのか。実際に試してみた。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

 前回、au版とソフトバンク版の「iPhone 5」の通信速度を山手線の主要駅で調べたが、KDDIが都内の高トラフィックエリアを重点的にLTEエリア化しているのに対し、ソフトバンクモバイルは高トラフィックエリアのLTE切り替えが難航していることから、KDDIが有利な結果となった。

 そこで、今度は東京近郊の状況を調べるべく、9月25日の午後に南武線の主要駅で通信速度を計測してみた。基地局の数の多さを声高に言いはやすソフトバンクモバイルだが、果たして本当に山手線から離れると有利なのだろうか。

PhotoPhoto au版とソフトバンク版のiPhone 5。外観上の違いはない

 今回も通信速度は「RBB TODAY SPEED TEST」で計測した。テストは、駅ホームの端に近い部分、空が見える場所で行った。電車が入線すると通信速度は低下する傾向が見られたので、駅に電車がいないとき(ターミナル駅では電車が少ないタイミング)を狙ってテストした。テストは5回実施し、その中から極端に高い値、もしくは極端に低い値を除いて上位3回分のテスト結果の平均を求めている。

 なお、この結果はあくまでも「9月25日午後時点の南武線での結果」のスナップショットだ。繰り返しになるが、駅の中でも、場所によって電波の状態は変わるし、毎日基地局が新しくできているような状況なので、結果は日々変わる可能性があることは覚えておいてほしい。通信速度は時間・場所・タイミング(そのときの基地局利用者の多寡、他のユーザーが何をしているか)などでも変わるものなので、あくまでも現時点での参考値ということだ。

通信速度
南部線
川崎
キャリア au ソフトバンク
通信回線(アンテナ) LTE(5本) LTE(5本)
下り 12.69Mbps 12.49Mbps
上り 7.49Mbps 8.81Mbps
鹿島田
キャリア au ソフトバンク
通信回線(アンテナ) LTE(5本) LTE(5本)
下り 17.49Mbps 17.68Mbps
上り 7.60Mbps 4.30Mbps
武蔵小杉
キャリア au ソフトバンク
通信回線(アンテナ) LTE(3本) LTE(5本)
下り 4.25Mbps 28.10Mbps
上り 0.33Mbps 8.76Mbps
武蔵溝ノ口
キャリア au ソフトバンク
通信回線(アンテナ) LTE(2本) LTE(5本)
下り 5.34Mbps 33.85Mbps
上り 2.60Mbps 9.71Mbps
登戸
キャリア au ソフトバンク
通信回線(アンテナ) 3G(5本) LTE(3本)
下り 5.14Mbps 6.30Mbps
上り 1.93Mbps 2.94Mbps
稲田堤
キャリア au ソフトバンク
通信回線(アンテナ) LTE(5本) LTE(5本)
下り 16.01Mbps 34.05Mbps
上り 7.61Mbps 9.10Mbps
府中本町
キャリア au ソフトバンク
通信回線(アンテナ) 3G(5本) LTE(4本)
下り 3.43Mbps 13.34Mbps
上り 0.91Mbps 5.18Mbps
立川
キャリア au ソフトバンク
通信回線(アンテナ) 3G(5本) LTE(3本)
下り 2.31Mbps 7.52Mbps
上り 1.75Mbps 1.75Mbps

 結果を見てみると、今回はソフトバンクモバイルが優勢だ。テストしたすべての場所で、iPhone 5はLTEの電波をつかんだ。場所によっては30Mbpsを超える結果も出ている。ソフトバンクモバイルの宮川潤一CTOは、「トラフィックに余裕があるところは積極的にLTEを2波(10MHz幅)確保していく」と話していたが、すでに10MHz幅(下り最大75Mbps/上り最大25Mbps)でのサービスが行われているのかもしれない。

 もちろん南武線沿線でずっとLTEの電波をつかんでいたわけではなく、所々で3Gに落ちる。だが、高架化工事が進んでいることもあり、高い場所を走っているときはかなりの確率でLTEの電波を拾っていた(高いところの方が障害物が少なく電波は届きやすい)。

 KDDIもかなり善戦しているが、川崎市の北部や府中本町、立川あたりはまだ穴が大きいようだ。とはいえ、登戸駅の結果を見れば分かるとおり、3Gだからといって極端に遅いわけではない。iPhone 5がWIN HIGH SPEED(EVDOマルチキャリア)対応になったことで、3Gでも5Mbpsを超えるスピードを記録するなど、実用上の使用感は明らかに向上している。

 いずれにせよ、エリアは今まさに拡大している最中だ。ソフトバンクモバイル、KDDIとも急ピッチで基地局を展開しており、年度内にはかなりのエリアがLTE化される見通しだ。自分のよく利用する地域で、現在LTEのサービスが提供されていないからといって、落胆する必要はない。iPhone 5は現在品薄になっているので、LTEエリアがしっかりできるのを待ってから購入するというのも手だろう。

 次回は埼玉県、千葉県でも検証してみたい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る