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これぞスマホ時代の遊べるカメラ――「HTC J One」の“Zoe”を試す荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)

今までのケータイやスマホのカメラ機能は、本職デジカメを追いかけてきたが、「HTC J One」は、スマホならではの「コミュニケーションに強いカメラ機能」を目指したように思える。その筆頭ともいえる「HTC Zoe」を試した。

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auのHTC製スマートフォン「HTC J One HTL22」

 個人的な感想だけど、auの「HTC J One HTL22」って、カメラ的には今年一番面白いスマホなんじゃないかと思う。何がって、スマホのカメラを別の側面からとらえ直したところ。

 うーんと、今までのケータイやスマホのカメラ機能は「本職デジカメを追いかけて」きたのである。静止画の画質を最重要視し、デジカメのような撮影機能を持ち、デジカメに迫る画素数を追い求め、デジカメのように使われることを目指して進化してきた。

 でもそれでいいのかと。

 現実を見てみると、スマホが浸透するとともに「普及型コンデジ」の売り上げは落ち、現在最も使われる「カメラ」はスマホとなり、いつのまにかスマホが一番ポピュラーになってるのだ。

 従来のカメラは「作品を大きくプリントして鑑賞する」「記録を写真で残す」という使い方が主であり、そのために画素数が上がり、さまざまな撮影機能が追加されて高機能になってきた。

 現実を見ると、写真の多くがプリントや記録より「コミュニケーション」の1つとして使われ、スマホで撮った写真の多くはネット上で不特定あるいは特定の人と共有して楽しむのが主たる目的となっているのだ。

 だったら、作品を撮るためのカメラや、記録として残すためのカメラではなく、スマホ&インターネット時代における「コミュニケーションに強いカメラ機能」を目指すころではないか。

 と、ちょいと大上段に能書きを垂れてみました。HTCがそこまで大げさなことを考えたかどうかは知らないけど、HTC J Oneのカメラ機能にはそんな気概が感じられるのだ。

 それが「あえて400万画素」であることと「HTC Zoe(ゾエ)」の搭載である。

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何はともあれ「Zoe」で遊ぶべし

 HTC J Oneのカメラは、「ハイエンド機は1300万画素へ」って時代にあって、いきなり「400万画素」というかなり落としたセンサーを積んできた。ちなみにiPhoneは800万画素のなので、その半分である。

 400万画素でいいのか、という話は後でする。面白いのは400万画素にした分、処理が軽くなり高速な処理や連写が可能になり、それを利用した「Zoe」機能を搭載できたことだ。ゾエと呼ぶ。日本語的には微妙な語感で面白いんだけど、いきなり「ゾエ」っていわれても何のことか分からないだろうから、その話を最初にする。

 撮影画面の上に小さなアイコンがあるんだけど、これをタップするとアイコンが青くなり「Zoe」モードになる。

 Zoeでは、1回撮影すると1秒分さかのぼって5枚連写、さらに3秒分の15枚連写+3秒分の動画を同時に撮る。20枚の連写写真と3秒の動画ができあがるわけだ。

 これ、文章だと分かりにくいので図にしてみた。

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Zoeで撮った動画と静止画はこう記録される

 これは実際にZoeモードで撮った動画と静止画をタイムラインに沿って貼り付けたものだ。1秒のところにある赤い線が「シャッターを切った」時間。ゾエるときは常に内部のメモリに画像を秒5枚でキャプチャし続けており、撮影ボタンをタップすると、直前の1秒分の静止画と、そのあと3秒分の静止画(合計20枚)が記録されるのだ。と同時に、撮影した瞬間から3秒分のフルHD動画も記録される。それがこれ。

上の例のZoe動画

 これが面白い。一瞬を切り取ることに命をかける……的な人にはアレかもしれないけど、そもそもそういう人はスマホじゃなくて本職デジカメを使うべきであって、スマホはもっと自由で気楽なものなのだ。

photophoto 撮影画面。これはZoeモード。Zoeモードで撮影ボタンを押すと、カメラアイコンが赤く塗られていく。塗り終わった時点で4秒。ちょっと待つのがコツ
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通常の撮影画面。左下のアイコンがデジタルエフェクト。左上にメニュー。中央上にはZoeのオンオフアイコンがある
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