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第27回 iOS7で大きく進化した「写真」アプリ荻窪圭のiPhoneカメラ講座

シンプルさが特徴のiOSだけれど、「写真」アプリだけはシンプルすぎてちょっと素っ気なかった。それがiOS7では大きく変化したのである。

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 iOSはシンプルさが身上のひとつなんだけど、ひとつだけ「シンプルにもほどがあるだろ」的なアプリがあったのである。それは「写真」。iOSでは撮った写真やスクリーンショットやダウンロードした写真はすべて「カメラロール」に放り込まれる。何でもかんでもここに放り込む。

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iOS6の写真アプリ。カメラロールにずらっと写真が詰めこまれて、枚数が増えれば増えるほど探すのが大変になる

 カメラロールにある写真を見るには「写真」アプリを使う。写真アプリを開いてカメラロールを見ると、今まで撮った写真がずらーっと撮った順に並んでいるのだ。昔撮った写真を探すにはひたすら指でフリックしてスクロールさせなきゃいけない。

 シンプルにもほどがある、と思うでしょ。

 まあスクロールは超高速で探しやすいので、撮影枚数が少ない人なら問題ないんだけど、わたしはだいたい1年で1万枚くらいカメラロールにたまるのである。毎年iPhoneを買い換えるたびに、前機種で撮った写真は消してるんだけど、それでも1万枚で、しまいには64Gバイトでもストレージが足りなくなる。

 1万枚がずらっと詰めこまれた中から目的の写真を探すのは……大変である。

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iOS7の写真アプリ。一見、違いはあまりないけれども実はかなり変わっているのだ

 で、やっとアップルはiOS7で「写真」アプリを大幅にリニューアルしてくれたのだった。これはなかなかいい。今回はiOS7で変わった「写真」アプリを楽しもうという話だ。

写真を分類してくれるiOS7の「写真」アプリ

 「写真」アプリを開いたら一番下の段を見るべし。

 iOS6までは「アルバム」「フォトストリーム」「撮影地」の3項目があった。これがiOS7では「写真」「共有」「アルバム」とがらっと変わったのである。

photophoto 左がiOS6の写真アプリ、右がiOS7の写真アプリ

 「アルバム」が一番右に移動し、「フォトストリーム」が少し内容を変えて「共有」になり、新たに「写真」という何の変哲もない名前の項目が加わった。

 この一番左にある「写真」が一番のポイント。

 「写真」をタップすると、iPhoneに入っている全部の写真をiOS7がテキトーにまとめてくれるのである。まとめかたは3段階。

  • 大分類:年別

 一番大雑把なまとめかたは「年別」。撮影した年ごとに超小型サムネイルがずらっと並ぶさまは圧巻。まあここでは「この年に撮った写真から探そう」的な感じの大分類。わたしみたいに毎年古い写真を消してる(消したくて消したるわけじゃなくて、そうしないとストレージが足りないのだ)人は別として、iPhone 3Gから使い続けてる人はすでに5年分の写真がたまってるわけで、こんな感じで年別に分類してもらえると何かと便利。

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いっそ潔いほどの極小サムネイルがずらっと詰めこまれたiOS7の「年別」表示。でもまあ、この極小サムネイルに大した意味は無いです

 ちなみに、iOS6で使ってたiPhoneをiOS7にアップデートすると、このサムネイルを作るのにかなり時間がかかるので、大量の写真がある人はゆっくり待つべし。

 「撮影年」の横に「日本」とか「神奈川県、京都府その他……」と地名が書いてある。「日本」ってのはあまりに大雑把だと思うけど、まあいろんなとこで撮ってるとまとめられちゃう。この地名をタップすると「撮影地」の地図が表示される。

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iOS6までは「撮影地」機能から地図を呼び出したが、iOS7では「写真」の中から地図に切り替えることができる。

 撮影場所から写真を探すこともできるのだ。

  • 中分類:コレクション

 この「年別」でサムネイル部分をタップすると次の分類に切り替わる。さすがにこのミニミニ極小プチサムネイルから目的の写真を探せ、なんてことはいわない。年別の次の分類は「コレクション」である。

 普通は、年の次は「月」だろうと思うわけだが、人によって撮影頻度や枚数は違うわけで、あまり撮らない人だとスカスカになるし、カレンダーべったりにしちゃうと、頻繁に撮る人だとびっしり並んじゃう。そこで、iOS7では「撮影場所」を加味して大まかに分類してくれるのだ。これが「テキトーにまとめてくれる」機能のひとつ。

 遠くへ旅行や出張にいったときはそれでまとめてくれるし、地元で日常の撮影が続いたときは1〜2カ月くらいでざっくりとまとめてくれる。このおかげで、遠出したときの写真を見つけやすくなる。この機能を生かすためにも「カメラアプリの位置情報はオン」にしておきたい。

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このように、日帰りでの外出しかなかった8月後半から9月は「東京都、および神奈川県」という感じでざっくりまとめられるし、広島県まで出かけた時は2日だけでも「福山市」とピンポイントでまとめられている

 ここでも地名部分をタップすると、撮影地の地図が表示される。

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上記の画面で福山市をタップすると、撮影場所の地図がこんな風にあらわれる。地図を拡大するほど撮影場所が細かくなる。ちなみにここは鞆の浦

 で、実は、「コレクション」に表示されるサムネイルは写真すべてじゃない。抜粋である。

  • 小分類:モーメント

 ここでずらっと並んだサムネイルをタップすると、小分類である「モーメント」に切り替わる。

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モーメント画面では撮影した写真がすべて表示される。ここでもざっくりと日付や撮影場所で分類。「自宅」までチェックしてくれる

 ここでも撮影場所と撮影日でまとめてくれる。枚数が少なくて近所でしか撮ってないときは数日分をひとつのモーメントにしてくれるし、ちょっと出かけてたくさん撮ったりすると、1日分の写真がまとめられる。これはなかなかよい。

 面白いのは「自宅」って分類があること。iPhoneの連絡帳に自分の自宅住所があれば、自宅で撮った写真は「自宅」に分類されるのだ。「モーメント」が一番小さな分類となり、撮った写真のサムネイルが全部表示される。ここで写真をタップすれば写真をでかく表示できる。

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モーメントの次が個々の写真。こんな風に表示される

 今回はiOS7の新しい写真表示機能についてまとめてみた。

 年→コレクション→モーメント、という独特のまとめかたをしてくれるのが面白いところだ。思ったより長くなったので、共有やアルバム機能の話は次回に。

今週のアプリ:iPicture

 「コレクション」や「モーメント」もいいけどさ、やっぱ撮った写真はカレンダーから探した方が分かりやすくていいよ、という人もいるかと思う。おれはまだiOS6じゃ、iOS7にする予定は当分ないわっ、って人もいるかと思う。

 そういう人には写真をカレンダー表示できるアプリがお勧め。

 その手のアプリはたくさんあるけど、わたしが昔から使っているのは「iPicture」というアプリ。これの「カレンダー」機能がよくできてて、年ごと、月ごとにカレンダー表示してくれるほか、その月に撮った写真をすべて表示なんて機能もある。サムネイルサイズも変えられる。

photophoto iPictureのカレンダーから年表示(写真=左)、iPictureの月別カレンダー表示。撮影した日にアイコンがつく。毎日何かしら撮ってるのでアイコンで埋まってるけど、撮ってない日があったらそこには表示されない(写真=右)
photophoto iPictureの月別表示で「すべてを表示」にすると、その月の写真が日付ごとにずらっと並んで表示される。これが便利(写真=左)、地図機能を使うと撮影場所がこのように表示される(写真=右)

 普段は「写真」アプリで済むけれども、ちょいと地図から、あるいは日付から写真を探したいってとき用にこういうアプリを持っていると何かと便利です。

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