第28回 iOS7の「写真」アプリを理解して使いこなそう:荻窪圭のiPhoneカメラ講座
iOS7で変化した「写真」アプリはその変化が大きなせいもあって、ちょっとiOS6と違う部分も見受けられる。「写真」アプリに対しての理解を深めながら、使いこなしていこう。
さてさて前回(荻窪圭のiPhoneカメラ講座:第27回 iOS7で大きく進化した「写真」アプリ)の続きで「写真」アプリの話。
iOS6までは、写真を見るとき「アルバム」を開いて、カメラロールから目で見て探さないといけなかった、iOS7では新たに「写真」という項目が作られ、そこでは撮影日や撮影場所でiPhoneがうまく写真をまとめてくれるので探しやすくなった、って話をした。
じゃあ従来と同じ「アルバム」はどうなったのか、というと、こちらもちょっと改良されて生き残ってるのである。
両者を見比べると、背景がシンプルになったのもあるけれども、微妙に中身が違う。
そもそもiOSで写真はどんな風に管理されてるのか。そんなこと知らなくても勘で使えちゃうのだけど、一応最初に整理しておく。
だいたいこんな感じ。
「カメラロール」には、とにかくiPhoneで撮ったりダウンロードしたりスクリーンショットした画像データが全部入る。とにかく全部。そういう場所。カメラロールの中には「アルバム」を作ることができる。アルバムについては後述します。
iOS6では「カメラロール」の下に「フォトライブラリ」がある。これはiTunesを通してパソコンからiPhoneに転送した写真アルバムのこと。iOS7では「フォトライブラリ」というくくりでまとめて表示する機能がないだけで、パソコンから転送した写真はアルバムとして別途表示される。
まあパソコン上にある写真から、iPhoneに入れて持ち歩きたいものをアルバムとしてまとめて入れておける機能と思っていい。
「フォトストリーム」はiCloudを使っている人用の機能。iOS6では別項目だったが、iOS7では「アルバム」のひとつとなった。iCloudでフォトストリームをオンにしておくと、iPhoneで撮った写真が自動的にインターネット上のクラウドに転送され、最大1000枚まで保管される。
アップルが用意するiCloud機能のひとつで、インターネット上に「フォトストリーム」という写真用のストレージが用意されていて、そこに自動的に写真が転送されるのだ(ただし、最新の1000枚が上限)。
iPhoneとiPadを持ってたりすると両方から同期される。
これが便利なのは、iPhoneで撮った写真をパソコンに転送するとき。フォトストリームに上がった写真をパソコンに自動的にダウンロードする設定にしておけば、iPhoneで撮った写真をいちいちケーブルをつないで転送しなくてもパソコンに自動的にダウンロードされるのだ。
MacではiPhotoやApertureというアップル純正の画像管理ソフトに、Windowsでは専用のフォルダに自動的にダウンロードされる。バックアップとしても便利。「静止画」のみで、動画には未対応なのが残念な点だけど、わたしはお世話になっております。
そんなわけで、当然、フォトストリームとカメラロールでは入っている画像がダブる。
わざわざ「自分の」フォトストリーム、と表示されているのは、iOS6から「共有フォトストリーム」機能が使えるようになったから。まあ、iCloudが用意する「フォトストリーム」という機能を介して、ともだちと写真を共有できますよ、という意味だ。
カメラロールと「アルバム」
前述したように「カメラロール」には、写真も動画もスクリーンショットも何もかも一緒くたに詰めこまれる。それはそれで潔いのだけど、大量に写真を撮る人には厄介である。たくさんあればあるほど探すのが大変になる。
そこでiOS6で「アルバム」機能が追加された。
カメラロールにある写真や動画から、気に入ったものを「アルバム」としてまとめておく機能だ。そうすればカメラロールを開いて探さなくても該当するアルバムを開けばそのまま見たい写真だけを見られる。
実際には、カメラロールにある写真を表示しているだけなので、アルバムを削除してもアルバム内の写真を削除しても、カメラロールには影響はない。
それを念頭に置いてもう一度この図を。
iOS7では「自分のフォトストリーム」の下に「パノラマ」と「ビデオ」というアルバムがある。これは新機能で、iOS7が自動的にカメラロールからパノラマで撮った写真と、ビデオをまとめてくれるのだ。
これはさりげなく便利。特に、動画だけをピックアップしてくれる「ビデオ」アルバムがいい。あとから動画を見返したり誰かに見せたいときすぐ探せるから。
個人的にはさらに「スクリーンショット」とか「ダウンロード」(ネットから保存した写真を集めたアルバム)なんてのも用意してもらえるとうれしいんですが、どうでしょう。
先ほどの図に戻る。
パノラマ、ビデオの下に「Instagram」というアルバムがある。これはアプリが自動的に作ったアルバム。Instagramというアプリでは、アプリでフィルタをかけた写真をカメラロールに保存する際、専用のアルバムにも登録してくれるのだ。
最近のカメラアプリやフォトレタッチなど画像加工系アプリはこの機能をけっこう持っていて、こうしたアプリで加工した写真を見たいとき便利。
もちろん自分でアルバムを作ることもできる。
左上にある「+」をタップして新しいアルバムを作り、追加する写真を選ぶだけ。
後からアルバムに写真を追加したり、アルバムから写真を取り除いたりという作業ももちろんできる。
アルバムの並び順も変えられる。カメラロールやパノラマといったiOSが用意したものは無理だが、それ以外は右上の「編集」をタップすれば、アルバムを削除したり、ドラッグして順番を入れ替えたりできる。
iOS6からiOS7への変更点はざっとこんな感じ。
多機能よりもシンプルさを重視しているので、ヘビーユーザーには機能的な不満点もまだあるだろうけど、その辺は前回紹介したようなアプリを利用しようってことでよいかと思う。
今回のポイントは、アルバムを上手に使いましょうってことですな。よく見返したり誰かに見せたりしたい写真は「アルバムを作ってまとめておく」べし。
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