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多機能で4K動画撮影も可能な「GALAXY S5」のカメラで遊びたおす荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)

「GALAXY S5」は、注目の4K動画撮影ができるだけでなく、さまざまな機能を備える優れモノ。高画質だけど便利で面白い、そんな「GALAXY S5」カメラの魅力を思う存分堪能してきた。

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 まあぶっちゃけ、ここ数年、カメラ機能でスマホをランクづけするなら、トップ3はiPhone、GALAXY、Xperiaで、4番目にどこが滑り込むか、的な感じだったのだけれども、その一角であるGALAXYシリーズの新モデルGALAXY S5の登場だ。日本向けにはNTTドコモとauから「GALAXY S5 SC-04F」と「GALAXY S5 SCL23」が発売されているが、今回はauのGALAXY S5 SCL23を使用した。

photophoto 「GALAXY S5 SCL23」。カラーバリエーションは、シマリーホワイト、チャコールブラック、シャンパンピンク
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背面に有効約1600万画素のメインカメラを搭載する
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GALAXY S5でデュアルショット撮影中の図。画面は大きくてきれいだけどやっぱ女子の手にはちょいとでかいか

 正直、予想以上によくできておりました。これは面白い。写りは安定してるし、レスポンスもいい。これだけサクサクと撮れて失敗が少なければ評価を上げざるを得まい。でも今回一番重視したいポイントは「カメラ部の一新」といっていいかと思う。フルリニューアルというか、まったく別物になってたのだ。何しろ、16:9なのである。

「16:9」のワイドカメラと「リアルタイムHDR」に注目

 えっと、今のスマホは画面の縦横比がHD(720×1280ピクセル)と同じ16:9が主流で、スマホのカメラを起動すると標準設定が「16:9」モードになってるものもある。そうするとちょうどフルスクリーンサイズで撮れるから。

 普通のスマホは「4:3」のイメージセンサーを搭載してるので、16:9モード時(あるいはHD動画撮影時は)、その上下をカットして16:9にしてるのである。16:9モードに切り替えると、上下が少し切り取られるからすぐ分かる。

 GALAXY S5ははじめから16:9のイメージセンサーを搭載してきたのだ。16:9のとき、イメージセンサーの性能をフルに発揮するのである。だから4:3モードにすると、16:9時の左右が切り取られる格好になる。

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画像サイズを4:3にすると上下の画素数はそのままで左右がカットされるのが分かる
photophoto 画像サイズが16:9の場合(写真=左)と。4:3の場合(写真=右)

 センサーの画素数は有効約1600万。4:3モードにすると両側が使われないので1200万画素相当になる。そういう計算だ。どちらがいいかはお好みで。まあ、スマホの画面で写真を楽しむのがメインなら、はじめからそれに合わせた16:9のイメージセンサーを乗っけちゃえばいいじゃん、というのは道理。4:3にしなきゃいけないわけじゃない。

 ただまあ、Instagramなど「正方形フォーマット」が主流のサイトを使うときなどは、16:9を正方形にすると左右(あるいは上下)がかなりもったいないなあ、と思うけど、そんなことをもったいながってるようじゃダメな気もする。これが1つ目のフルリニューアルな点。

 もう1つは、リアルタイムHDR機能を搭載してきたこと。HDRのオン/オフは手動で、画面左端にアイコンがあるのでそれをタップすると切り替わる。

photophoto HDRオフ時(写真=左)。HDRオン時。リアルタイムでHDRをオンにしたときの効果(シャドウ部が明るく、ハイライト部が抑えめに)が分かる。これがよさ(写真=右)

 この画面を見てもらうと分かるとおり、HDRをオンにすると画面表示自体がもうHDRがかかった状態になるのだ。リアルタイムHDRである。一体何をしてるのか。HDRは「ハイダイナミックレンジ」の略。明暗差が大きくてカメラの性能を越えちゃうようなとき(まあ、逆光の時はだいたいそうだ)、明るめの写真と暗めの写真の両方を撮影して合成することで、ハイライトからシャドウまで幅広いダイナミックレンジを備えた写真を作るという技術。例えば、iPhoneの場合、明度が「高・中・低」の3枚を連写して合成することでHDR写真を作っている。

 で、この方法の欠点は「複数枚連写して合成」という手続きが必要なため、どうしても「撮影中にカメラが大きく動いたり、動いてる被写体がある」とそこの合成がうまくいかないことだ。例えば風が吹いて葉っぱが揺れただけで、そこが二重の像になってしまう。

 GALAXY S5が行うHDRはそれらとどこが違うのか。おそらく、1600万画素のうち、半分の800万画素で明るめ、残りの800万画素で暗めの写真を撮り、その場で合成している。だから連写する必要がないのである。そうすると画質は800万画素相当に落ちるのか、というと、そんなことはない。1600万画素分はちゃんと働いているからだ。

 見比べてみるとHDRオフで撮ったときに比べてディテールが落ちている程度。遠くの木の葉のように非常に細かい部分はつぶれてしまうが、ある程度規則性がある場所(屋根や柱など)は微妙な差だ。それ以上にダイナミックレンジが広くなるメリットの方が大きい。

photophoto HDRオフ(写真=左)。HDRオン(写真=右)
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上がHDRオフ。下がオン。等倍表示にして見比べてみた。オンの方がディテールがつぶれているのが分かる

 画素を半分ずつに分けて別々の露出で(明るさで)撮影して1枚のダイナミックレンジが広い写真を作る、というイメージセンサーは昔からあるし、スマホでも初めてではないが、リアルタイムHDRのクオリティ的にはトップクラス。個人的には「普段からHDRをオンにしておいて全部それで撮ればいいじゃん」と思う。画素数的には800万画素もあれば十分なんだし。私はこの機能、積極的に評価しております。

 ではそんなことを念頭に置きつつ作例をいくつかご紹介。いつもの黄色い滑り台から、基本的に16:9でいきます。

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黄色が実に鮮やかで素晴らしい色とコントラスト(HDRオフ)
photophoto いつものあずまや(HDRオフ)(写真=左)。いつものあずまや(HDRオン)(写真=右)

 四隅は少し絵が流れてしまっているが中央部はとてもよいデキ。あずまやの方はHDRをオンにすると空の青さが少し戻り、空との境目にきた枝も白飛びせず、とてもナチュラルな写りだ。

 続いてポートレートを。まずはオートで撮影。ちゃんと顔を検出して撮ってくれるが、顔を検出したときはもうちょっと顔を明るめに撮ってくれてもいいかな、とは思う。

photophoto 「オート」で撮影したポートレート

 日常の撮影は「オート」のみで、特にシーンモードなどは持たないが、美肌モードは独立した撮影モードとして用意されている。同じシーンで美肌モード(レベルは最高)で撮ったのがこちら。

photophoto 美肌モード(最高レベルに設定)で撮影したポートレート

 さて、顔を撮っててちょっと陰影がきついかなと思ったのでHDRをオンにしてみた。

photophoto HDRオフ(写真=左)。HDRオン(写真=右)

 オンにするとダイナミックレンジは広くなって陰影も柔らかくなるが、ちょっと顔のグラデーションが不自然になる。気になる人は、人を撮る時はHDRオフがいいかも。続いていくつかの作例を。

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ちょっと暗めの店で抹茶とあずきのパフェを食う。縦長を生かした縦位置で撮ってみた
photophoto 真っ赤なバラ。被写体が中央になくてもタッチAFが使えるので問題なし(写真=左)。大量の招きネコを撮ってみた。こちらもタッチAFで(写真=右)
photophoto 青空とガスタンク(写真=左)。16:9とワイドなのを生かしてHDRで撮ってみた(写真=右)
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