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MVNOと本家auの差が大きく開く――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線11月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。前回のドコモ回線に続き、今回はauの回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。

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 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

 そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。前回は11月編のドコモ系MVNOの通信速度をリポートしたが、今回はau系MVNOだ。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。

通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下のau回線を使った3サービス。

  • UQ mobile
  • mineo
  • au(LTE NET)

 いずれも下り最大150MbpsのLTEサービスに対応したものを使っている。このうちauのLTE NETはMVNOではなく、auのスマホに通常提供されているインターネット接続サービス。いわば“本家”の通信速度となる。LTE NETは、一部のau端末では下り最大225Mbpsの通信が可能だが、今回使用しているURBANO L03は下り最大150Mbpsまでの対応となる。また、mineoはau VoLTE非対応のSIMを使っている。

 調査条件は以下の通り。

  • 計測端末:URBANO L03
  • 計測アプリ:RBB TODAY SPEEDTEST
  • 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、午後(12時20分〜)、夕方(18時〜)の3時間帯。
  • 計測場所:JR横浜駅西口(午前、午後、夕方)、東京都港区のアイティメディア社内(午後のみ)
  • 計測回数:各時間帯・場所で1サービス、上下3回ずつ(平均値を掲載)

 通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。

 9月まではドコモ回線の測定後にau回線の測定を行っていたが、前回10月からドコモ回線と同時にau回線も測定を行っている(ドコモMVNO2台+auMVNO1台の3台同時測定)。また、より混雑のピーク時間帯に合わせるため、午後の測定時刻を12時20分からとした。

 なお、本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。

 またau回線の測定は1台のURBANO L03を使って順番に行ったため、測定時刻は分単位では異なる。ドコモのMVNOを含めた3台同時の測定になり、やや各SIMの測定間隔が広がっている。全てのサービスを同時に測定したわけではないこともご理解いただきたい。

平日午前は3サービスとも絶好調、60Mbps超えが当たり前

 今回の測定は11月24日(火)にJR横浜駅西口前、11月26日(木)に東京港区のアイティメディア社内で行った。まずは横浜駅での午前中の測定結果をお伝えする。

photo

 前回の10月の測定では70Mbpsを超える結果も出たが、今回もそれに迫る結果になった。au(LTE NET)が下り平均68Mbps台、他の2サービスも下り平均60Mbpsを超えており、とても高速であることが分かる。

 ドコモの回線と比べると、サービスの数が少なく、当然ユーザー数も少ないので有利というのもあるのだろうが、ともかく速いことはうれしい。

 上りの通信速度は3サービスとも5Mbps台で抑えめ。これもいつものau回線のサービスにいえることだ。

JR横浜駅西口での測定結果(午前)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
UQ mobile 8:56 65.94 5.6
mineo 9:02 62.2 5.27
au(LTE NET) 8:50 68.37 5.26

平日午後はau(LTE NET)のひとり勝ち

 続いて横浜駅での午後の測定結果を見ていこう。ランチタイムはネットワークが混雑する時間帯で、ドコモのMVNOでは0Mbps台が相次ぐ。またau回線でも前回mineoが0Mbps台となったが、今回はどうか。

photo

 圧倒的な大差で本家au(LTE NET)の勝ち。下り平均62Mbps台。ここまで圧倒的だと混雑時間帯に強いのはやはり本家だな、と再認識する。

 mineoはある意味MVNOらしい下り平均0.63Mbps。MVNOは混雑時間帯が苦手、というのを体現している。そして意外なのがUQ mobile。前回は本家よりも速い下り平均78Mbps台を出していたが、下り平均1.3Mbpsと振るわなかった。

 そんな3サービスも上りの速度は仲良く5Mbps前後。下りではワーストのmineoが、上りではトップに躍り出た。

JR横浜駅西口での測定結果(午後)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
UQ mobile 12:34 1.3 4.3
mineo 12:26 0.63 5.44
au(LTE NET) 12:20 62.39 5.23

平日夕方はau(LTE NET)が下り60Mbps超え、UQ mobileが持ち直す

 周辺の人の数は午前、午後よりも多い夕方。当然ネットワークは混雑しているはず。果たしてどうか。

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 ここでもまたau(LTE NET)は下り平均60Mbpsを超えた。下りの通信速度では、完全にMVNOの上を行くサービスとなっている。

 そしてUQ mobileが下り平均25Mbps台に復調。上りの通信速度でも横並びとはいえトップを奪取した。

 mineoは残念ながら今回も3位。下り平均1.46Mbpsと、ランチタイムよりは改善しているが、LTEとしては物足りない。この傾向は10月とも似ている。

JR横浜駅西口での測定結果(夕方)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
UQ mobile 18:05 25.66 4.95
mineo 18:16 1.46 4.33
au(LTE NET) 18:00 62.73 4.14

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