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大混雑の年末に意地を見せた「mopera U」――「格安SIM」16サービスの実効速度を比較(ドコモ回線12月編)通信速度定点観測(2/2 ページ)

格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。7月から始めた本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。かつてないほどの格安SIMがそろった2015年。12月のドコモ回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。

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昼のアイティメディアではmopera Uが下り20Mbps超え

 最後に東京都内のアイティメディアの会議室で午後に測定した。こちらは12月22日(火)に行っている。

 この日も晴れており、寒く、外で食べている人は見かけない。また年末に近付きランチタイムにも関わらず仕事で急いでいる様子の人が多い印象だ。一方で冬休みに入ったのだろう、路地裏では子供たちが遊ぶ姿も見られた。

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 どうやらネットワークは11月よりも混雑しているようで、横浜の午後の結果と同じく下り平均0Mbps台が並び、下りの通信速度も先月は下り30Mbps超えがあったものの、12月は最大で24Mbps台となった。

 その最速値を出したのがmopera Uで、唯一の20Mbps台となった。続いたのが下り平均19Mbps台のWonderlink(LTE F)。こちらは上りの通信速度も11Mbps台で優秀だ。しかし同じWonderlinkのLTE Iは下りで0Mbps台と、差が大きく開いた。

 3位のFREETEL SIMも好調で、下り13Mbps台を維持。横浜の午後に好調だったDTI SIMは4位となり、下り平均5Mbps台にとどまった。5位には平常運転のワイヤレスゲートが入り、下り2.59Mbps。1Mbps台をなんとか維持したのはSo-net モバイル LTE、mineo(Dプラン)。0Mbps台は10サービスに上った。

 上りの通信速度は下りほど結果は悪くない。10Mbps以上を記録したのは、DTI SIMの12Mbpsをはじめ、BIGLOBE LTE・3G、NifMo、前述したWonderlink LTE Fの4サービス。ワーストはワイヤレスゲートだが、上り平均2.68Mbpsだった。

アイティメディア社内での計測結果
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:20 0.8 8.9
OCN モバイル ONE 12:20 0.52 4.8
BIGLOBE LTE・3G 12:25 0.97 10.26
b-mobile(おかわりSIM) 12:25 0.49 3.22
So-net モバイル LTE 12:32 1.23 8.27
楽天モバイル 12:32 0.39 6.38
NifMo 12:35 0.3 11.45
ぷららモバイルLTE 12:35 0.23 9.5
ワイヤレスゲート 12:38 2.59 2.68
FREETEL SIM 12:38 13.65 9.92
DMM mobile 12:41 0.82 6.16
U-mobile(LTE使い放題) 12:41 0.87 8.35
Wonderlink(LTE I) 12:43 0.79 3.99
Wonderlink(LTE F) 12:46 19.02 11.57
mineo(Dプラン) 12:46 1.05 6.32
DTI SIM 12:48 5.03 12.55
ドコモ(mopera U) 12:43 24.89 5.92

12月はmopera Uが一番、FREETEL SIMとWonderlink(LTE F)も好成績

 12月は4回のテストで常にトップとなった、mopera Uが最も良い結果を残した。12月は全体的にトラフィックが増大したため、MVNOには不利に働き、MVNOよりは十分な帯域を確保しているドコモに有利に働いたのかもしれない。いずれにせよ、本家の意地を見せた格好だ。

 MVNO勢ではFREETEL SIMとWonderlink(LTE F)が活躍。FREETEL SIMは毎月良い成績を出しており、今回も通信速度は◎。Wonderlink(LTE F)は月によってはFREETEL SIMよりムラがある印象だが、やはり速いことが多く、上位に来る常連だ。ただし同じWonderlinkでもLTE Iは大幅に速度が落ちる。

 この2サービスほどではないが、混雑時でも常にそこそこの通信速度を維持できたのはDTI SIM。11月のデビュー戦よりも速度は落ちたが、いまだ数Mbpsは出るので好調といえる。

 常に安定しているのはやっぱり「ワイヤレスゲート」。ただし従来のように下り平均で3Mbps以上になることはなく、今回は2Mbps台が中心だった。

 混雑時にはだいぶ速度が落ちるものの、下り平均0Mbps台を避けられたのはSo-net モバイルLTE、mineo(Dプラン)だった。これは11月も同様の傾向だ。

 各サービスの傾向をまとめると以下の通り。

  • IIJmio……ランチタイムが苦手
  • OCN モバイル ONE……下りは不調、上りに期待
  • BIGLOBE LTE・3G……午前と上りはお任せ!
  • b-mobile(おかわりSIM)……混雑タイムは苦手
  • 楽天モバイル……混雑時は苦手、上りは◎
  • So-net モバイル LTE……混雑時に踏ん張るタイプ
  • NifMo……ランチタイムが苦手
  • ぷららモバイルLTE……上りに自信アリ、下りは×
  • ワイヤレスゲート……信頼の2Mbps台も、やや不調か
  • FREETEL SIM……夕方に速度は落ちたが2位争い!
  • DMM mobile……ランチタイムは苦手も午前は強い
  • U-mobile(高速定額)……上りはOK、下りは×
  • Wonderlink(LTE Iシリーズ)……ランチタイムが苦手
  • Wonderlink(LTE Fシリーズ)……夕方はやや不調も2位争いを演出
  • mineo(Dプラン)……混雑時に踏ん張るタイプ
  • DTI SIM……下り常に3Mbps以上で信頼度◎
  • ドコモ(mopera U)……混雑してもナンバーワン

 引き続き、速いサービスは今月も速く、遅いサービスは、なんとか午前中や上りの通信速度で勝負している印象。ただ全体的に速度が落ちているため、先月と比べると派手な成績は残らなかった。

 こういうときは本家ドコモのmopera Uが頼りになるものの、その速度も落ちており、大きいイベントが続く12月らしい結果といえる。こういうときは結局どんなサービスも遅くなってしまうもの、と割り切ることも必要かもしれない。

 今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、ほかのさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。

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