Facebook、Twitter、LINE…ソーシャルネットワークサービス(以下、SNS)が登場して以降、身近な友人はもちろん、疎遠になっていた同級生などとも簡単にコミュニケーションがとれるようになった。一方で、SNSを見ることができない環境だと落ち着かなかったり、不安にかられたり…そんな人もいるのではないだろうか。もし、そういった気持ちを抱くようであればSNS依存の可能性がある。
「SNSに1日複数回アップする人も多くいますが、自分が好きでやっていれば“趣味”の範囲、生活に実害が出るようなら“依存”といえるでしょう。朝までSNSをやって、会社に寝坊してしまう。それにより給料が下がったり、最悪クビになったり。または友人や恋人、家族との時間を持たなくなり人間関係に問題が生じるなどが実害としてあげられます」
そう語るのは、日本人のメディア利用行動を研究する東京大学の教授、橋元良明氏だ。SNS依存で生活に実害が及んでいる人は多くはないとのことだが、潜在的に近い状態の人はいるという。
「承認欲求や孤独不安が強い人、寂しがり屋の人はSNSに依存する傾向があります。また日々の生活に目的のない人や暇を持て余している人もそうですね」と、橋元氏は続ける。
また、橋元氏はSNS依存者を集め、グループインタビューも行っている。実例から、SNSに依存してしまった特徴的な理由を紹介しよう。もし、身に覚えがあるなら潜在的にSNS依存の可能性があるかもしれない。
〈SNSに依存してしまった理由7〉
ケース1)特段目的もなく、面白いとも思わないが、ネット画面の前で時間が過ぎていった(21歳・男性)
ケース2)現実から逃げるため、SNSに自分の世界を求めた(22歳・男性)
ケース3)やめたいと思っていても自分でコントロールできず、結局続けてしまった(25歳・女性)
ケース4)現実よりネット上の方が楽しくなってしまった(22歳・男性)
ケース5)友達や彼女よりもSNSでつながっているグループの方が楽しいので、彼女のメールよりSNSのグループの方を優先してしまった(22歳・男性)
ケース6)やることがなくて朝から寝落ちするまでやってしまった(28歳・男性)
ケース7)メンバーの一員として自分だけ抜けるわけにはいかないという“義務感”を抱いた(22歳・男性)
※年齢はグループインタビュー時
ライトなものからヘビーなものまで、理由は様々。なかには、SNSに没頭するあまり、歯を磨かない、お風呂に入らないなどといった、日常行動をしなくなった人や、働き方とネットに費やす時間の使い方が合わなくなり、転職して会社自体を変えてしまったという人もいた。
ちなみに、SNS依存から脱却できた理由で多いのは、新しい環境に変わった時に新しい友人関係ができたこと、仕事に力を注ぐようになったことがあげられていた。依存から脱却するために転職…というのは難しいかもしれないが、人間関係など身近なところから変える努力をすることが大事だといえる。実生活を充実させることが、なによりSNSに依存しないための道なのだろう。
(関泰介/ユーフォリアファクトリー)
【関連リンク】
東京大学情報学環 橋元研究室
http://individuals.iii.u-tokyo.ac.jp/~hasimoto/
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