UQモバイルが、月額1980円でデータ容量2倍のキャンペーンを実施――ワイモバイルへの追撃狙うが、端末ラインナップ不足が懸念材料:石川温のスマホ業界新聞
UQコミュニケーションズがMVNOサービス「UQ mobile」の新端末・新サービス発表会を開催した。端末販売の強化、au販売員との連携など、見どころが多かった会の終了後、野坂章雄社長の囲み取材が行われた。
6月24日、UQコミュニケーションズは、同社のMVNOブランド「UQモバイル」の記者説明会を開催した。月額1980円で、データ容量が倍になるキャンペーン展開が明らかにされた。終了後、野坂章雄社長の囲みが行われた。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年6月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
野坂社長 「おめでとうございます。広報からぜひ伝えるようにと。定番と聞いておりますので」
(★ もはや社長囲み恒例の石野さん、結婚おめでとうコメントからスタート)
―― au販売員の応援について、田中社長は何か言っていたか。
野坂社長 「これは直接、田中とは話していないですね。UQは力があるというのはKDDI側もわかっている。そういう意味でお互いにこういうことはあると、僕は推測している。むしろ、KDDI側に聞いていただければと」
(★ 田中社長の「UQさん、頑張って」を支援するってことですかね)
―― 同じKDDIのSIMカードを販売するMVNOからKDDIへの販売協力要請があれば可能なのか。
野坂社長 「これはむしろKDDI側に聞いて欲しいですね」
(★ mineoは今回の件、どう思っているんだろうか)
―― 特に独占契約的なものではないのか。
野坂社長 「それはだって総務省的な観点もあるかと思いますね」
(★ J:COM連携は今後、ありえそうな気もするが)
―― 店頭での支援というのは販売に限ったものなのか。
野坂社長 「そうですね。修理とかはないですね。我々自体もお客さんに説明をして、重要事項なことを伝えてということですから、いままでも紹介営業というのはUQとKVEでやっていた。それをもうちょっと突っ込んだ形でやっていく」
(★ 修理対応までしてくれれば完璧だけど)
―― キャリアショップを展開していく計画はあるのか。
野坂社長 「そこはかなり意識していて、量販店はそれなりに強いと言ってますけど、ワイモバさんは800店舗ぐらいあるんですかね。いずれはやっていかないといけない。まずは第一に量販店をきちっと抑えていきたいと思っている」
(★ 「近くにある安心感」という意味でショップが街中にあるイメージは大きいかと)
―― サポート体制の強化はお店が出来てからになるか。
野坂社長 「サポートはちょっとこれから。ただ、いま端末保証サービスというのをやってましてね、月380円を払ってもらうと、初回の故障はタダで直したりとか、最大でも5000円ぐらいで直したりする。ウェブで申し込むと宅配ですぐに取りに来てくれて、また直ったら返すとか、代替機も提供するので、意外とリアルショップがない、あったほうがいいには決まっているが、絶対的に困るかといえばそうでもないところがある。
まず販売から入って、サポートをどうするか、考えないといけないと思う」
(★ 壊れても、すぐに対応してもらえる環境は必須かと)
―― 販売の流れとして、キャリア商品がいいという人にはau、格安スマホがいいという人にはUQモバイルを紹介するかたちになるのか。
野坂社長 「まず、UQのスタッフとauのスタッフがいて、それぞれ自分のものを売りたいと思うんですよね。ただ、そこから先、4900円が高いよねというひとにはUQがありますよねとか、さっきの経済圏みたいな人がいたら、auさんを紹介するみたいな流れになる。これから少し、試行錯誤をやりながら、やっていこうと思う」
(★ auのスタッフとすれば、まずはauを契約させたいよねぇ)
―― 実際、auのスタッフはどれくらい協力してもらえるものなのか。
野坂社長 「現場ではいろんなことが起こると見ていて、UQスタッフは家電量販店の店長さんとも親しい、人のために役立つこと、家電が売れるためにやると自分たちのものが売れることをわかっている人が多く、感謝される。同じことをauでもやったときにウィンウィンの関係になれればいいと思う。現実、いろいろなフリクションも出てくると思う」
(★ なんか一筋縄ではいかないような)
―― 目標とかありますか。
野坂社長 「外に言えるものはないんですけど、やっぱり僕らはデータ通信の分野でシェア5割みたいな事になってきたじゃないですか。いま店頭でワイモバさんが圧倒的なシェアを持たれているじゃないですか、そこを意味のある崩し方をやっていかないといけないと思う」
(★ まずは端末ラインナップを強化しないことには。ワイモバイルはSIMフリー端末とセットにできるのが強みだし)
―― MVNOというよりもワイモバイルを意識しているのか。
野坂社長 「ワイモバを意識しているというのは語弊があるかもしれなくて、ただ、UQみたいな会社がこれから、MVNOとして本格的にやっていこうとすると、結果的にはね。ただし今の状況では大学生と幼稚園児くらいの違いがあると思っている。何年か前にイーモバイルさんの背中を追いかけてきたように、うちのメンバーは生きがいややりがいを感じてる人も多い。そこは火をつけて頑張っていきたい」
(★ ワイモバイルという敵がいることで、UQモバイルは強くなりそう)
―― 今後、ラインナップが増えてくると、サポート充実は必須になると思うが。
野坂社長 「今のサポートセンターは販売だけなんですけど、いずれカスタマーサポートとか出てくると思っていて、これは私の勝手な妄想だけれども、うちの営業マンはタブレットを持って接客している、いまはスタンドアローンだが、もしそれがインタラクティブになれば、いろんなことができると思っている。いままでは違ったモデルができればいいなと思っている」
―― 端末はVoLTE待ちってことですかね。
野坂社長 「ちょっと端末についてはなかなか。これは時間の勝負。時間だけだと思っていて」
(★ VoLTE対応端末が増えないことには難しそうだな)
―― WiMAXのSIMカードだけを売るというのは、まだ早いという判断なのか。
野坂社長 「WiMAXはむしろデバイスロックをかけているわけですよね。それはギガ放題というのをやっているわけだから、そのSIMだけを抜いてスマホに刺すとなると、それはSNSに強いUQという関係からすると、いずれはそうしたいんだけど、そこは世の中の流れとしては、ちょっと時期尚早といった感じ。これもよくご存知のご質問とは思うのですが」
(★ ギガ放題のプランでスマホが使えれば言うことないんだけど。UQモバイルがワイモバイルに勝つにはそれしかないような)
―― SIMフリー端末がなかなか期待できない状態にあるのではないか。
野坂社長 「社内でも同じような議論をしていて、ただarrows M02は非常に評判がよかった。そういった系統とか、中華系のメーカーさんで、なんとか対応していただければ。ただ本来はSIMフリーというよりも、自分たちの息のかかった端末を出すべきなんだと思う。(中華系はどちらなのかと聞かれて)大陸と島と両方なんですかね」
(★ SIMフリー端末とセットに販売できないのが、ちとつらいところだけど、SIMフリーを組み合わせて使う人は限られている気もする)
―― オリジナル寄りで考えていくということなのか。
野坂社長 「いろいろと悩んでいます。SIMフリーっていいよねって思ったこともありました。現実のテーマもあるとすると、これからちゃんと数を揃えてやっていくならば、やっぱり違うかなと最近、思っています」
(★ これから増えるであろう、初心者層であれば、SIMフリーよりもオリジナル端末を揃えた方がいいかもしれない)
―― アップル製品という選択肢はないのか。
野坂社長 「それは私の立場からは。なんか揃えていかないと、とは思っています」
(★ iPhoneが扱えれば最強なんだけど)
―― 現状の規模感はどれくらいなのか。
野坂社長 「KVEの時にあまりきちっとできていなかった。2月から始めました。ようやく緒に就いて。3月は昨年対比で相当増えた。ベースが少なかったが、これを一気にエキスポネーションにあげないといけない。そういう意味で、Kオプさんを見ていると羨ましいなと思う。この間、Kオプさんが発表された数字ぐらいは早く追いつかないといけない」
(★ まだ数万規模という感じかしら)
―― au連携ではauショップは使わないのか。
野坂社長 「それはむしろ(先方に)聴いていただきたい。UQの良さはやっぱり家電量販だと思っている。量販でやった営業手法を、代理店さんも苦労されていると思うが、そういう方達と話し合って、UQ的なやり方を理解していただいて、それでいけるねと言うようになれば、いけると思う。そうじゃないと、コミッションベースの話になったりとか、最後はそうなるかもしれないが、フェーズが会う相手を早くたくさん探したい」
(★ au SAPPOROの取材でKDDIのひとは「auショップで扱うことはない」って言っていたので、しばらくは家電量販店だけになりそう)
―― データ通信のシェア5割で、いまだに数は伸びているのか。
野坂社長 「数は伸びていますね。ただ、前に比べると伸びは緩やかになっている。ルーターそのものがバンバン売れるかといえば。イノベーションが必要だと思う。そんななか、量販のデータはいろいろとわかるが5割ぐらいと言ったところ」
(★ 早く440Mbps対応にならないかな)
―― 端末セットとSIM単体、割合はどれくらいなのか。
野坂社長 「端末のセットで、これ言っていいのかな。(関係者に確認して)いけないそうです。そこを一生懸命、伸ばさせています。でないと儲からないというか。SIMカードだけを売っていくのは意味がないというか、UQがやろうとしているのは端末セットじゃないといけないと思っています」
(★ やはり、端末ラインナップの拡充が課題というところに行き着きますね)
■取材を終えて
MVNOが盛り上がり、SIMフリー端末を売るメーカーと、キャリアからネットワークを借りて、通信サービスを提供する会社が分離しつつあるが、結局は端末を売った方が儲かるという本音が聞けたのがよかった。なんだかんだいって、ユーザーを、毎月、通信料金という名の分割払いでしばりつつ、代金を回収していくキャリア型のビジネスモデルが有益ということなのかも知れない。
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