「運用が徹底されていなかった」――KDDI田中社長、総務省の行政指導にコメント
総務省が、「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」に違反したとして3キャリアを行政指導。KDDIはクーポンを減額することでこれに対応。冬モデルについて、田中社長は11月に追加の発表があることを予告した。
KDDIの田中孝司社長が11月1日、2016年度第2四半期の決算会見で、総務省の行政指導についてコメントした。
総務省は10月7日に、KDDIを含む3キャリアに対して、「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」に違反したとして、行政指導を行った。KDDIの場合、端末代金を割り引くクーポンの組み合わせによって、一部ケースで端末の実質価格が数百円になる場合があった。
行政指導を受け、KDDIは、「auスマートバリューを契約した一部のユーザーに配布していたクーポン」と、「auを解約してから新規契約またはMNPで再びKDDIに契約した人に配布していたクーポン」を減額。
対象機種はiPhone 6、6 Plus、SE、6s、7(一部容量を除く)で、1万円から5000円に減額する。またauスマートバリュー契約者向けのクーポンについては、iPhone SE(16GB)+データ定額1に加入した人に5000円分を配布していたが、これによって実質価格が数百円になるため、iPhone SE(16GB)はクーポンの対象外とした。
「昨日(10月31日)、(総務省から)指摘されたことに対して、求められていたことをご報告した。いくつかのクーポンを重ねることで、(ガイドラインから)踏み出したところもあったので、口頭で注意を受けた。端末購入補助の適正化に取り組むよう強く求められたので、ガイドラインに合った形で是正をしていく」(田中氏)
「ガイドラインに抵触すると分かっていながら、クーポンを提供していたのか?」という質問に対しては田中氏は「運用が徹底されていなかった。ガバナンスをちゃんとやっていかないといけない」と答えるにとどめた。
11月に新機種を発表する
決算会見では、ここ最近のKDDIの動向について言及。ソフトバンクの「ギガモンスター」に追従する形で、大容量プランの「スーパーデジラ」を開始。「これまで、5GBプランから8GBプランへ移行すると1700円高くなるが、5GBから1000円を追加すれば20GBを使える。10〜20代の大容量ニーズが高いお客さんに好評」と田中氏は手応えを話す。
また4G LTEケータイ向けには、「スーパーカケホ」+データ定額サービス込みで月額1500円から利用できる専用プランを提供している。「フィーチャーフォンユーザーは通話の利用ニーズが高いので、1回5分以内の通話がかけ放題になるスーパーカケホを提供する」(田中氏)
一方、冬商戦向けモデルについては、あらためて発表会は行わない方針。バッテリーの発火で生産停止となった「Galaxy Note7」についてはKDDIも販売を見送ったが、田中氏は「11月に新機種を出す」と予告した。
KDDIも販売面などでサポートをするMVNOサービス「UQ mobile」については、サービス、端末、販売チャネルを強化することで、契約数が順調に伸びていることをアピールした。総務省の有識者会議で他のMVNOから協調的寡占状態を招くと指摘された件については、「サービスや料金は平等に扱っている。ケーブルテレビなど、お互いにメリットのあるものは、UQにこだわらずやっていきたい」とコメントした。
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