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主役は楽天モバイル?  LINEモバイルは“普通”に――「格安SIM」17サービスの実効速度を比較(ドコモ回線7月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では、主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回は2017年7月のドコモ回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。

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 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大225Mbps」「下り最大375Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

 そこで、各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介。今回は2017年7月編として、ドコモ系MVNOの通信速度をレポートしたい。au系MVNOやY!mobileについても同時に調査したので、別途記事を掲載する。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。

SIMカードパッケージ

通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下の18サービス。

  • IIJmio
  • OCN モバイル ONE
  • BIGLOBE SIM
  • b-mobile(おかわりSIM)
  • LINEモバイル
  • 楽天モバイル
  • NifMo
  • ロケットモバイル
  • FREETEL SIM
  • DMM mobile
  • U-mobile LTE使い放題
  • mineo(Dプラン)
  • DTI SIM
  • 0 SIM
  • イオンモバイル
  • エキサイトモバイル
  • nuroモバイル
  • NTTドコモ(mopera U)

 ドコモ純正のサービスであるmopera Uを除くと、MVNOのサービスは計17となる。いずれのSIMもLTEの高速通信に対応したものを使っている。

 調査条件は以下の通り。

  • 計測端末:ZenFone 3×4台
  • 計測アプリ:RBB SPEEDTEST
  • 計測日時:7月26日(水)8時55分〜、7月27日(木)12時25分〜、18時5分〜
  • 計測場所:JR横浜駅西口
  • 計測回数:下りと上り3回ずつ(平均値を掲載)

 通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定としている。用意しているのは4台のスマホなので、全サービスを同時に測定しているわけではない。各サービスの測定開時刻は、テスト結果の表を確認してほしい。記事で明記している速度結果は特記がないものを除き、3回の平均値となる。

 本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。

午前:下りはmineoが下り80Mbps超 4サービスが下り40Mbps以上

 6月は東京都千代田区のアイティメディア本社で計測を行ったが、今回(7月)は再び横浜駅前で測定を行った。先述の通り、測定は7月26・27日の2日間に分けて実施した。まずは26日8時50分からの測定結果をお伝えする。

 当日の天候は小雨。非常に弱い雨で、傘をさしている人はほとんどいない。学生は夏休みに突入したこともあり、私服姿が目立つ。いつもより通勤通学の足音は少なかったが、横浜市はちょうど市長選真っ只中だったため、演説で人が集まっていた。結果やいかに。

JR横浜駅西口での測定結果(午前)
JR横浜駅西口での測定結果(午前)

 毎回午前中は速度が伸びやすく、測定結果も良好な傾向にある。今回はドコモ純正の「mopera U」が下り平均100.2Mbpsを記録したほか、MVNOでも最速の「mineo(Dプラン)」は、84.86Mbpsを記録している。続く「BIGLOBE SIM」は46.56Mbpsと非常に良好な結果を出した。BIGLOBE SIMに加えて「楽天モバイル」「エキサイトモバイル」「NifMo」の4サービスが下り40Mbps台、「DMM mobile」と「イオンモバイル」が30Mbps台を記録した。先述のサービスを含めて、13のMVNOサービスが下り10Mbps以上となった。

 逆に、下り平均速度が振わなかったサービスは下り平均0.38Mbpsの「0SIM」、0.89Mbpsの「ロケットモバイル」、1.25Mbpsの「nuroモバイル」、2.9Mbpsの「b-mobile(おかわりSIM)」と計4サービス。速度が出やすい傾向にある午前中の結果だと考えると、正直厳しい。

 上りの平均速度は1〜5Mbpsで全体的に遅い。トップは楽天モバイルの上り平均5.44Mbps。下りで不調だったロケットモバイルは上りでは健闘し4.6Mbps。ワーストはこちらも0SIM。いつになったら改善するのか。諦めるべきなのだろうか……。

JR横浜駅西口での測定結果(午前)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 8:55 21.36 4.11
OCNモバイルONE 8:55 27.29 3.55
BIGLOBE SIM 8:55 46.56 3.04
b-mobile(おかわりSIM) 9:01 2.9 4.39
LINEモバイル 9:01 26.24 4.05
楽天モバイル 9:01 42.97 5.44
NifMo 9:01 41.28 3.27
ロケットモバイル 9:06 0.89 4.6
FREETEL SIM 9:06 21.57 2.39
DMM mobile 9:06 37.54 3.32
U-mobile LTE使い放題 9:06 17.87 3.46
mineo(Dプラン) 9:15 84.86 3.39
DTI SIM 9:11 11.76 2.03
0 SIM 9:11 0.38 1.54
イオンモバイル 9:11 32.37 2.11
エキサイトモバイル 9:20 42.26 2.11
nuroモバイル 9:19 1.25 2.19
ドコモ(mopera U) 9:19 100.2 3.81

午後:MVNOなら楽天モバイル! 上りは0SIMがトップに!

 午後(ランチタイム)の測定は27日に実施した。この日の天気は曇り。7月下旬としてはやや涼しい日で、外出が増えるかと思われたが、見ていた様子ではさほどでもない。ただし、横浜駅西口は工事中で駅からの通路が狭く、駅構内は人でごった返しているはずだ。

 この時間帯は毎回著しく通信速度が低下する傾向にある。結果はどうなっただろうか。

JR横浜駅西口での測定結果(午後)
JR横浜駅西口での測定結果(午後)

 今回も下り平均1Mbps以上を維持できたMVNOサービスは3つのみ。ほとんどが1Mbps未満であった。

 mopera Uは下り平均67.05Mbpsと、純正サービスらしく相変わらず昼時でも速い。MVNOサービス最速は楽天モバイルの下り平均6.44Mbps。次いで「FREETEL SIM」が1.1Mbps、おかわりSIMが1.09Mbpsとなった。

 他のMVNOサービスは全て下り1Mbps未満。ワースト1はいつものように0SIMで、0.06Mbps。0.1Mbps以下だ。ワースト2は0.25MbpsのNifMo。ワースト3は午前中トップのmineoで0.36Mbps。

 上り平均速度もさほど速くはないが、何と0SIMが平均6.49Mbpsでトップに立った。アップロードは期待できそうだ。実は0SIMは上下ともに5月の測定値と全く同じ結果。制御してあえてこの速度なのだろうか。エキサイトモバイルも上り平均5.79Mbpsで好調。上り平均速度のワーストは下り3位のFREETEL SIMで0.63Mbpsだった。

JR横浜駅西口での測定結果(午後)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:25 0.64 2.42
OCNモバイルONE 12:25 0.41 1.36
BIGLOBE SIM 12:25 0.65 2.16
b-mobile(おかわりSIM) 12:30 1.09 1.13
LINEモバイル 12:30 0.71 1.76
楽天モバイル 12:30 6.44 3.54
NifMo 12:30 0.25 2.5
ロケットモバイル 12:34 0.43 3.47
FREETEL SIM 12:34 1.1 0.63
DMM mobile 12:34 0.67 1.57
U-mobile LTE使い放題 12:34 0.69 1.2
mineo(Dプラン) 12:39 0.36 2.74
DTI SIM 12:39 0.42 1.56
0 SIM 12:39 0.06 6.49
イオンモバイル 12:39 0.66 1.82
エキサイトモバイル 12:43 0.7 5.79
nuroモバイル 12:43 0.51 1.26
ドコモ(mopera U) 12:43 67.05 3.05

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