法人市場では格安SIMの普及は進まず
J.D.パワーが「2017年日本法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査」の結果を発表。大企業・中堅企業市場ではKDDI、中小企業市場ではNTTドコモが2年連続で1位を獲得し、法人市場でもスマートフォンが主流となっている。
J.D.パワーは、8月23日に「2017年日本法人向け携帯電話サービス顧客満足度調査」の結果を発表した。
本調査では従業員規模50人以上企業の各種電話サービスの管理・意思決定に関与するユーザーを対象に、主に利用している法人契約の携帯電話の利用実態や顧客満足度を調べたもの。第9回目は6月に郵送調査を行い、大企業・中堅企業市場は2327社、中小企業市場は1461社から回答を得た。なお、今回からPHSを調査対象から除外している。
顧客満足度の測定には4つのファクターを設定し、各ファクターでの詳細項目に対する顧客の評価をもとに総合的な満足度スコア(1000点満点)を算出。総合満足度に対する影響度をみると「営業対応」(32%)、「コスト」(31%)、「電話機・サービス」(27%)、「トラブル対応」(10%)の順になる。
従業員数100人以上の大企業・中堅企業市場ではKDDIが1位となり、第2位はNTTドコモ、3位はソフトバンク。3社とも2016年と比較すると総合満足度が向上していることが分かった。50人以上100人未満の中小企業市場ではドコモが1位を獲得し、第2位はKDDI、3位はソフトバンクとなる。それぞれKDDI、ドコモは2年連続での1位となった。
利用している携帯電話機のタイプをみると、大企業・中堅企業市場でのスマートフォン利用率は2年前の約4割から2017年は約6割にまで大きく増加。
一方、MVNO(格安SIM)は大企業・中堅企業市場では0.2%、中小企業市場では0.4%と低い水準にとどまっている。比較検討される割合は1%未満という状況が続いており、通信品質やサポートに対する不安感の払拭(ふっしょく)や、販売・営業体制の構築が必要としている。
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