シニアの特殊詐欺撲滅へ AIで詐欺電話を判定する「あんしん電話」 トーンモバイルが無料で提供
トーンモバイルが、詐欺電話を自動で判定する「あんしん電話」を10月に提供する。外部データーベースとトーンのAIを用いることで、高確率で危険な電話番号を判定。あんしん電話をはじめとしたシニア向けサービスを強化していく。
トーンモバイルは9月15日、MVNOサービス「トーンモバイル」のシニア向け新サービスを発表した。中でも注目したいのが「あんしん電話」だ。
あんしん電話は、「オレオレ詐欺」をはじめとする特殊詐欺を防ぐためのサービス。10月13日にサービスを開始する予定で、利用料金は無料。対応機種は「TONE m15」と「TONE m17」。
過去に詐欺電話などに利用された電話番号の外部データーベースと照合し、詐欺電話やしつこい営業の可能性が高い番号から着信があると、画面に警告表示を出す。事業者電話番号のデーターベースと合致すれば、(詐欺電話元ではない)企業や店舗も表示する。
警告表示が出た後に「応答」ボタンを押してしまっても、「本当に応答しますか?」と確認が入るので、誤って応答してしまうことも防げる。
トーンが開発した「TONEあんしんゲートウェイ」とデーターベースが接続しているのも特徴。ゲートウェイに搭載されているAIが詐欺電話のパターンを学習し、データーベースに毎日更新をかける。これにより、新しい電話番号から掛かってきた危険な電話も判定できるようになる。特に携帯電話からの詐欺電話は頻繁に番号が変わることが多いため、1日1回の更新は大いに役立つ。
あんしん電話には石田宏樹社長の強い思いが込められている。「日本が作ってきた通信インフラ上で、家族の愛情につけ込んで詐欺をしていることに対しては怒りしか覚えない」と同氏は憤る。「高齢者は自分は絶対に(詐欺電話に)引っ掛からないと思っているのが問題。オプションで用意しても不正は裁けないので、標準サービス化した」と無料にした狙いを話す。同社はあんしん電話によって、シニアの特殊詐欺問題撲滅を目指す。
この他、スマートフォン初心者をサポートするサービスも追加する。
「らくらく初期設定」は、初期設定について記入したシートをスマホの専用アプリで撮影すれば、その設定がスマホ側に自動で反映されるというもの。ホーム画面のデザイン、090電話オプションを付けるか、マナーモードにするかなど、二択のうち1つを塗りつぶせばよい。10月18日にアプリを提供する予定。
「お知らせシール」は、専用のNFCシールにTONEのスマホをかざすだけで、あらかじめシールに登録したアプリを起動したり、特定の連絡先にメールを送ったりできる。これにより、アプリのアイコンをタップして起動する、文字を打ち込んでメールを送るといった動作を省略できる。11月に販売する予定。
「ゆるやか見守りモード」は、子供向けの見守りモードを成人(シニア)向けにカスタマイズしたもの。「見守ってほしいけど、プライバシーも守りたい」という要望に応えるため、ユーザーの現在地を市町村などの広域で分かるよう配慮した。10月3日から順次アプリを配信する。
また、PCから家族のスマートフォンを遠隔で操作できる「家族サポート」が、スマートフォンの「TONE 見守り」アプリからも利用可能になる。10月3日から順次対応する。
トーンモバイルはこれまで主に、キッズ向けのサービスを開発してきた。今後は約6000万人以上のシニアに向けたサービスを拡充し、「キッズ」と「シニア」の両軸で、他のMVNOと差別化を図っていく構えだ。
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