キャリア契約なしでもOK 韓国で折りたたみスマホ「Galaxy Folder2」を購入:山根康宏の海外モバイル探訪記
韓国で販売されているスマートフォンは、キャリア端末でもSIMロックフリーなのです。実際にスマートフォンを買ってみました。折りたたみ型の「Galaxy Folder2」です。
韓国でのスマートフォンの販売方法は日本とほぼ同じです。端末は通信事業者が販売するので、大手3キャリアいずれかのブランドの付いた製品が売られています。しかし日本と大きく異なる点が1つあります。それはキャリア端末でもSIMロックフリーなのです。そんな韓国で、実際にスマートフォンを買ってみました。
ソウルの街中を歩くと大手通信事業者、SK Telecom、KT、LG U+のお店が乱立しています。複数社を扱う代理店も多く、その数は東京の比ではありません。しかしこれらの店は基本的に契約販売を行っているので、端末だけを売ってくれる店はあまり多くありません。
一方、端末メーカーのショップならキャリア端末でも単体で販売してくれるところが多くあります。SamsungとLGの大型店舗なら定価に若干の上乗せで購入できるのです。今回はソウルの学生街、ホンデ(弘大)にあるSamsungのお店「Samsung Digitalplaza」を訪問してみました。
訪問したのは2017年9月末。「Galaxy Note8」が発売された直後ということもあり、店内は右も左もGalaxy Note8だらけ、という様相でした。デモ機は十分あり、機能ごとに展示も分かれているので、店内を一周すれば全ての操作を一通り体験できます。なおスタッフは英語ができる方も数名いました。そして端末だけではなく、ケース類も各機種用の純正品が販売されています。
さて端末のスペック表には価格も書かれていますが、そこには3事業者のロゴも掲載されています。つまり各社の料金プランと、端末の割引価格が明記されているわけです。そして一番高い価格、つまり割引のない価格が端末本来の定価です。Galaxy Note8の場合は110万ウォン程度、11万円と高価ですが、日本で出ていないだけについつい欲しくなってしまうかも。しかしここでは事業者と契約しなくても、在庫があれば単品で買うことができるのです。
この店舗の場合は、定価の10%増しで単体購入が可能とのこと。前述したように端末にSIMロックはありませんから、ここで端末を買って海外のSIMを入れて韓国以外で使う、なんてこともできるのです。買えるといわれると欲しくなるもの。高い端末は手が出しにくいのですが、手軽に買える価格の製品もいくつか販売されています。
店内の一角はミッドレンジやエントリー機が展示されています。そこで見つけたのがこの「Galaxy Wide2」。2016年に発売された低価格機のGalaxy Wideが好評だったこともあり、2017年モデルとして5月に発売された製品です。定価は29万7000ウォン、約3万円。これに10%の割り増し、すなわち32万6700ウォンで購入できます。
スペックは5型HDディスプレイ、Exynos 7 Octa 7870(8コア1.6GHz)、メインメモリ2GB、内蔵ストレージ16GB。カメラはアウト1300万画素にイン500万画素。韓国での販売事業者はSK Telecomだけですが、SIMロックフリーなので海外でも利用できます。SK Telecom契約の場合は実質無料になるようで、エントリー機を求める消費者に人気だそうです。なお韓国以外では販売されていないとのこと。
また、海外で2〜3万円程度で販売されている「Galaxy J3(2017)」「Galaxy J5(2017)」の韓国モデルも販売中。J3は27万5000ウォン、J5は34万4300ウォン。海外より若干割高ではあるものの、単品で買えるのはいいですね。
さてこれらの低価格機の中に、1つだけ気になるスマートフォンを発見しました。折りたたみスタイルの「Galaxy Folder2」です。この夏発売されたモデルで、3.8型(480×800ピクセル)ディスプレイ、Snapdragon 425(4コア1.4GHz)、メインメモリ2GB、内蔵ストレージ16GB。カメラはアウト800万画素+イン500万画素。中国ではゴールドカラーが展開されていますが、韓国ではブラックを販売。これは悪くありません。
価格は29万7000ウォン。この店は免税対象なので、10%割増しで購入しても若干返ってきます。海外で使う時にポケットにすっぽり収まる大きさは使いやすく、これを買うことにしました。購入時は免税書類の作成を一緒にお願いするとベター。店での支払額は32万7000ウォンでしたが、免税が2万1000ウォン、結局30万6000ウォン(約2万9960円)で購入できました。
Samsungの海外品はほとんどが日本語ロケール入り。このGalaxy Folder2もセットアップ時点で日本語を選べます。ただ、残念なことに10キーでの日本語入力ができません。標準のSamsungキーボード、後から入れたGoogle日本語入力、どちらも10キーからは英語と韓国語のみ入力可能で、日本語を入力するには画面に表示されるソフトキーを使う必要があります。
筆者の居住する香港に戻り、香港のSIMを入れたところ、そのまま認識され通信することができました。なおSamsungの韓国販売品は、ネットワーク周りの設定にやや癖があります。韓国のSIMを入れて使うことを前提としているためか、ネットワークの手動切り替えは設定の「国際ローミング」から行います。またAPNの設定画面がありません。
設定があれこれ必要なSIMを使うのには適していませんが、その用途であれば素直に他の国で売っているSIMロックフリー機を買った方がいいですね。もしも韓国訪問中に「これは欲しい!」と思える端末に出会ったら、単品購入にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
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