ドコモが「マルチプロファイルSIM」を開発 eSIMとの違いは?
NTTドコモは1枚のSIMに複数のプロファイルを格納し、渡航国や地域に応じて切り替えできる「マルチプロファイルSIM」を開発。12月1日からタイとベトナムで実証実験を行う。
NTTドコモは、11月28日にジェムアルトの技術協力のもとで開発した「マルチプロファイルSIM」について発表した。
本製品には、1枚のSIMに電話番号や契約内容などの複数社分の加入者情報を格納。手持ちのスマートフォン/タブレットに挿入すれば、SIMを差し替えずに渡航国や地域に応じてプロファイルを自動/手動で切り替えられる。
日本ではNTTドコモのプロファイルとなるため、出国までの間や海外からの一時帰国時などでもSIMを差し替えせずに従来通りの通信サービスを利用できる。スマートフォン/タブレットなど、人の利用を想定したものは世界初。
eSIMも1枚のSIMで複数キャリアの情報を書き換えられるが、遠隔でSIMカードに書き込むため仕組みが異なる。またeSIMでは手動で通信キャリアを選ぶ必要があるが、マルチプロファイルSIMは、事前に設定したキャリアのネットワークに現地で自動で接続するため、ユーザーの手間は少なくなる。
マルチプロファイルSIMはeSIMに置き換わるものではない。「eSIMは遠隔で書き込めるメリットがある。一般ユーザーにとって、できることは似通っているが、両社の特徴を生かしながら、どういうサービスがいいかを検討したい」(NTTドコモ)
NTTドコモとジェムアルトは2016年2月から「コネクサス・モバイル・アライアンス」に加盟する通信事業者と技術検証を進めており、プロファイル切り替え機能の安定性が確認できたため実証実験を行う。
実験ではタイのTrueMove HとベトナムのVNPTを提携先通信事業者とし、両国に支店・工場などがある法人へ合計100回線を提供。現地での業務利用について使用感やネットワーク品質を評価し、2018年度内のサービス提供開始を目指す。実験期間は2017年12月1日から2018年3月30日までを予定する。
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