Huaweiがスマホで世界一になる日、新モデル「P20」への期待 リチャード・ユーCEOが語る:Mobile World Congress 2018(2/3 ページ)
日本メディアがHuaweiのコンシューマー・ビジネス・グループのCEO、リチャード・ユー氏と面会。グループインタビューを実施した。リチャード氏は、ライバルに対するHuaweiの強みや、PC事業に参入した理由、次期スマホ「P20」について語った。
米国市場では“政治的な力”が働いている
―― 日本でキャリア向けのビジネスを拡大する考えはありますか? また、世界シェア1位を取るためには米国市場の開拓が必要など思いますが、それに対する施策はあるのでしょうか?
ユー氏 日本の各キャリアとは非常に良い関係性を築いています。品質、サービス、安全性いずれにおいても、お客さまに対して、しっかりとした価値を創出しています。日本市場に関しては、Huaweiの技術や革新的な製品が強みとなって、価値を作り出していることは、証明されていると思います。
米国市場については、やはり、ライバル企業がわれわれに恐れをなして、政治的な力を使って……(筆者注:米国の政府筋がセキュリティの面での不安からHuawei製品を使わないように呼びかけたり、Huaweiが米キャリアとの取引が行えない背景に政治的な圧力があったり、といった報道がある)。というのは、われわれは170以上の国で事業を展開していますが、たった1つの国だけで問題があると思われていることはどうしても理解できません。実際に問題視しているところがあれば、それを明確にしてもらえば、こちらとしても対応のしようがあるのですが……。
弊社は中国に本社を構えています。しかし、単なる中国企業ではなく、あくまでもグローバル企業なのです。じつは、年間売上の60%以上は中国市場以外によるものです。人材においても世界各国から優秀な人材を採用し、世界各地の拠点に分布しています。Huaweiは設立して30年、そのうち25年は、私も会社の中にいて、その変化を見てきました。これまでに、どこかの国の政治団体を深い関係を作るということはなかったですし、これからもありません。
どの国に進出しても、その国の法律・文化にのっとって事業を展開しています。そして、その国でしっかり尊敬される企業になりたいと考えています。政治的に深く関わり合うこと決してありません。
なぜPCを作るのか
―― Huaweiはスマホ、タブレット、ウェアラブル、そして2年前からはPCを発売するなど、コンシューマービジネスを広げています。次の一手は何でしょうか?
ユー氏 われわれの最終的な目標は、あらゆるシーンにおけるスマート体験を実現することです。衣食住、さらに普段の生活、ビジネスなど、さまざまな場面で人々のニーズに応えていきたいです。みなさん、自宅にいても、オフィスにいても、必ず電気製品を使いますよね。あらゆる製品を提供していきたいですし、Huaweiのアカウントでクラウドサービスを使うことで、さまざまな製品とサービスを一気通貫で、ひも付けることができます。
例えば、2月25日に発表した「HUAWEI MateBook X Pro」は、他社のフラグシップモデルと比較しても非常に使いやすいと自負しています。究極のデザイン性、ディスプレイ、スピーカー、CPU、バッテリー、いずれも非常に優れていますし、さらに指紋認証も搭載しています。現在のPC業界において、最も先進的なWindows PCであると思います。ちなみに、世界初のフルビューのタッチスクリーンには、JDI(ジャパンディスプレイ)の「LTPS」(筆者注:Low Temperature Polycrystalline Silicon=低温シリコン)という最新技術を使っています。
じつは、よく「リチャード、なぜPCを作るんだい?」と聞かれます。PC業界は、いわゆる “レッドシーマーケット” です。 “レッドシー(赤い海)”とは非常に競争が激しいことを指します。ですが、スマートフォン市場は、レッドシーどころか “血の海”くらい競争がし烈です。われわれは、その血の海を泳いできたので、レッドシーくらいは、何でもないんです(笑)。先ほど申し上げたように、あらゆるシーンでスマート体験を実現するためにPCは欠かせません。ですので、PCも作りますし、さらに新しい分野に進出した際にも革新的な製品を作るんだという意気込みがあります。
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