キャリア名が「IIJmio meeting」に IIJの特別仕様版 フルMVNO SIMを使ってみた:ふぉーんなハナシ
IIJが、フルMVNOのプリペイドSIMとして「JAPAN TRAVEL SIM」を販売している。ピクトエリアに「IIJ」と表示されるのが特徴。その特別仕様版として、ピクトエリアに「IIJmio meeting」と表示されるSIMを入手したので、早速使ってみた。
インターネットイニシアティブ(IIJ)は、フルMVNOのシステムを用いたプリペイドSIM「JAPAN TRAVEL SIM」を販売している。【訂正あり】
フルMVNOとは、MNO(キャリア)の加入者管理機能(HLR/HSS)を自社で運用することで、独自のSIMカードを発行できる事業者のこと。HLR/HSSを運用することで、従来のMVNOではできなかった、回線の開通や中断が自由にできるようになる。MVNOがプリペイドSIMを販売する際、店舗で在庫を持つだけでコストが発生していたが、開通させない状態でSIMを保持できるフルMVNOなら、在庫にかかるコストを減らせるメリットがある。
ではユーザーにとってのメリットは何があるのか。帯域は従来のMVNOと同じものを使うので、ネットワークの品質は変わらない。大きな違いは、ピクトエリアに表示されるキャリア名。従来のMVNOでは、ドコモ回線を使っている場合は「docomo」と表示されるが、フルMVNOではピクトのキャリア名を自由に書き換えられるので、JAPAN TRAVEL SIMでは「IIJ」と表示される。ネットワークの品質は変わらないとはいえ、キャリア名が変わるのは何とも新鮮だ。
そして7月7日と14日に開催されたファンミーティング「IIJmio meeting」では、ピクトエリアのキャリア名がさらに異なる、特別仕様のJAPAN TRAVEL SIMが、数量限定で用意された。このSIMでは、ピクトエリアのキャリア名に「IIJ」ではなく「IIJmio meeting」と表示されるという。なんと、そんな長い名前でも行けるのか。ここに表示する名称の文字数は特に制限がないそうなので、いろいろといじれる模様。
筆者もこのSIMを入手できたので、早速試してみた。使ったスマートフォンはソフトバンク版の「iPhone X」。フルMVNOのSIMを使うには、SIMロック解除済みの端末が必要。筆者のiPhone XはSIMロックされた状態だったので、「My SoftBank」からSIMロックの解除の手続きをした。
その後、電源を切ったiPhone XにJAPAN TRAVEL SIMを挿し、起動後の画面の指示に従ってアクティベートさせる。この時点ではまだデータ通信はできないが、ピクトエリアにしっかりと「IIJmio meeting」と表示された。ちょっと感動。ただしiPhone Xでは、切り欠き(ノッチ)の影響で、ピクトエリアの情報が隠れてしまい、普段はIIJmio meetingの表示は見られない。キャリア名を見るには、コントロールセンターを呼び出す必要がある。他に、右端に表示される通信規格が、ソフトバンクSIMでは「4G」だったものが「LTE」に変更されているのも興味深い。
その後、ブラウザを立ち上げるとJAPAN TRAVEL SIMのサイトが表示されるので、登録作業を行う。SIMカードの台紙裏に記載されている2つのパスコードや、氏名、パスポート番号などを入力すれば完了だ。新しいSIMを入れて通信を開始するには、本来はAPNの設定をする必要があるが、iPhoneでJAPAN TRAVEL SIMを使う場合、APNを設定せずに通信を開始できる(「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「モバイルデータ通信ネットワーク」から手動でAPNを設定することもできる)。
【訂正:2018年7月19日18時57分 初出時に「そもそもAPN設定は見られない」と記述していましたが、手動で設定も可能です。おわびして訂正致します】
先述の通り、通信品質は従来のMVNO SIMと変わらない。7月19日11時ごろにスピードテストをしたところ、下り4〜5Mbpsは出たが、12時30分頃にテストしたところ、下りは1Mbps未満だった。また、IIJのフルMVNOは通話には対応していないため、データ通信専用で使う形となる。
ここまで長いキャリア名をピクトエリアで見ることはめったにない。しばらく“IIJmio meeting SIM”を使ってニヤニヤしようと思う。
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