ドコモ、2019年9月20日に5Gプレサービス開始 米Magic Leapとの提携も
NTTドコモが、4月26日に実施した2018年度の決算説明会で「5G」サービスの詳細を発表した。5Gのプレサービスは、ラグビーワールドカップに合わせ、2019年9月20日に開始する。MR領域を強化すべく、米Magic Leapと資本提携を行い、同社製品をドコモが販売する。
NTTドコモが、4月26日に実施した2018年度の決算説明会で「5G」サービスの詳細を発表した。
4月10日に5Gの周波数割り当てが決まり、ドコモは3.7GHz帯と4.5GHz帯で200MHz幅、28GHz帯で400MHz幅が割り当てられる。5Gの商用サービスは2020年春からの提供を予定しているが、それに先立ち、ラグビーワールドカップが開催される2019年9月20日にプレサービスを開始する。吉澤和弘社長は「プレサービスに向けて、5Gの特徴を生かしたエリア構築を始めている」と進展を話す。
プレサービスでは、スタジアムやライブビューイング会場でのマルチアングル視聴といった利用を想定している。ドコモ担当者によると、サービスの提供場所はスタジアムを基本にしつつ、他の場所でも限定的に提供する可能性があるとのこと。端末はスマートフォンを使い、5Gに対応した端末を貸し出す形になるようだ。このプレサービスを契機に、産業創出や地域創生など社会課題の解決にも取り組む。
5Gでもスマートフォンを利用するが、吉澤氏は「スマートフォン単体にとらわれるつもりは全くない」と話し、スマホと周辺デバイスを連携させたサービスの提供も視野に入れる。具体的には、5Gスマホをハブにして、カメラ、ウェアラブル、ヒアラブル(イヤフォンなど)、AR(拡張現実)、XR(AR、VR、MRなどの総称)などのデバイスを連携させた、5Gならではの新体感サービスを提供するという。
ドコモはこの枠組みを「マイネットワーク構想」と呼ぶ。「スマートフォンをハブにして、たくさんの周辺機器をつなぐことで、自分の周りにネットワークができる世界観」と吉澤氏は説明する。その中で欠かせないのが、デバイスメーカーやコンテンツプロバイダーとの協業だ。
その一環として同日に発表したのが、米Magic Leapとの資本・業務提携だ。MR(複合現実)領域を強化すべく、Magic Leapが持つ最先端の空間コンピューティング技術と、ドコモの会員基盤を組み合わせ、MRをコアとしたXR市場の創出に努める。具体的には、リアルとバーチャルが融合したゲーム、3D映像を活用して工場でデザイン設計をする法人向けサービスなどを想定している。
ドコモはMagic Leapが今後日本で発売予定のMRデバイスの販売権を取得し、ドコモが同社の製品を販売する。なお、dアカウントの連携や日本語対応などの関係で、現在海外で販売されている「Magic Leap One」は取り扱わず、次の世代の製品からドコモが取り扱う予定。
5GはKDDIやソフトバンクもサービスを提供するが、ドコモの強みとして、吉澤氏は「パートナーと多彩なユースケースを創出していること」を挙げる。同社は外部企業に対して、5G技術の情報や接続環境を提供する「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」を展開しており、既に2600を超える企業が参加している。その中で「建設機械、医療、防犯など100を超えるユースケースが出てきている」(吉澤氏)という。「来春のサービス開始に向けて、サービスやビジネスの素材は、他キャリアよりもかなり進んでいると自負している」と同氏は自信を見せる。
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