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サムスン「Galaxy Fold」をKDDIが国内独占販売――韓国、アメリカで品薄。果たして日本は?石川温のスマホ業界新聞

サムスン電子製の折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」が、日本でも発売される。しかも、KDDI(au)の独占販売。先行して発売した韓国や米国では入荷する度に品切れとなる人気商品となっているが、果たして日本でもそうなるか……?

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「石川温のスマホ業界新聞」

 サムスン電子は、折りたたみスマホ「Galaxy Fold」を日本に投入すると発表。KDDIが独占販売するとした。10月25日発売予定だ。

 今年2月に発表になり、発売直前の4月には耐久性や製造に問題が出て、一旦は発売延期となってしまったが、ようやく日本でも発売と相成った。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年10月12日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額500円・税別)の申し込みはこちらから。


 先週、アメリカ・ニューヨークの家電量販店・Best Buyでも見かけたが、9月末に発売されたばかりということで品切れ状態。「今週、もしかしたら在庫が入ってくるかも」ということで、Best Buyのウェブサイトをチェックし続けていたが、入ってくるのはAT&T版のみで、SIMフリー版はなかなか入荷することはなかった(自分が帰国した翌日に入荷)。

 サムスン関係者によれば「3000台、9000台と入荷するたびに数十分で売れていくほどの人気だ」と語る。グローバルでも月産1万台程度しか作れないようで、韓国やアメリカではいまだに品薄状態が続いているようだ。

 日本では税込み24万円で販売される。実際に製品を触ってみると、高級感があり、開くと大きな画面が出てくるというギミックに近未来を感じて、かなり興奮するのだが、じゃあ、どれくらいの人が買うのか、という点では相当、悩ましい。

 日本では、端末の割引もほぼ消滅してしまっただけに、いままでのようにはいかない。

 しかし、サムスン関係者は「日本にはアーリーアダプターのユーザーが他国に比べても多い。そうした人は興味を示してくれるのではないか」と期待する。

 メーカーとしては自信があるのだろうが、キャリアとしては導入を慎重にならざるを得ないのは間違いない。

 サムスン電子関係者は「今回、キャリアさんに調達してもらえるかもわからない状態だった。調達してもらうのに精一杯で、FeliCaなどの対応には手が回らなかった」と話す。

 そんななか、24万円の端末を調達したKDDIは立派だと思う。ただ、発表会ではなくプレスリリースだけの発表にとどまってしまったのはなんとももったいなかった。

 ただ、10月10日のプレスリリースだけでも相当なインパクトがあったし、翌11日に行われたNTTドコモ・新製品発表会の端末ラインナップがかなり霞んで見えたのは、KDDIにとってみれば大成功だったのかも。

 事業法改正により、3万円以下のスマホが増えるのは結構だが、そればかりではこの業界が面白くなくなってしまう。割引できない逆風が吹いているが、メーカーもキャリアもGalaxy Foldのような未来を感じる、ワクワク感のあるスマホを作り、調達し続けて欲しい。

© DWANGO Co., Ltd.

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