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インターネットマシンを手に入れろ! ――iPhone入手顛末記 (2/2)

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乙女の心はやっぱ白

 急いで準備をし向かったのは11日午前1時。乙女の優しい入社同期数人がくれた「同期の愛セット」(中身は栄養ドリンクとお菓子とおにぎり)を手に、走ってビックカメラへ向かう。足もとは履き替え忘れた社内用便所サンダル。丸の内OLにしては新しすぎるコーディネートはきっと10年後に大ヒットするだろう。

 午前1時時点で、すでにビックカメラ横壁面の半分程度まで人の列が延びていたが、表参道の行列から考えればればごくわずかな人数。(ビックカメラの行列に関してはこちらの記事をご参照ください)……これはいける! およそ13時間程度の時間を費やせばiPhoneが我が手に……ふははは! このお祭り感覚とiPhoneへの期待で胸は高鳴る。途中合流した先輩記者とともに行列に並んだ乙女。ついついはしゃぎ、やたらと前に並んでいる人に話かけ、「おなかが空いたー」という声が聞こえれば押しつけがましく同期の愛セットからお菓子を振る舞ってみた。乙女がかわいすぎるせいか、どうもみなさん遠慮しているらしい。ほとんど手をつけない皆さん。そんな照れなくってもいいのに。

photo 寝っ転がった乙女から見える丸の内。なんだかよく分からない

 並ぶと順々に、整理券ならぬ“お並び順券”が配布され、同時に希望機種の確認が行われた。選んだ機種によって手に入れられない場合があるのでは……と、深読みする皆さん。しかし、乙女は直球勝負。やはり乙女に似合うのは黒より、白。値段に関してもどうせ経費だしと、全く迷うことなく16Gバイトの白をチョイスした。

 時間もそろそろ深夜になり、一応の手続きをすませ安心した乙女は“おねむ”の時間。平気で地べたに座り、大地と一体化する。横に寝転んでテレビを見るおっさんのような姿勢で、自分の家のリビングかのようになりふり構わずコンクリートに体をなじませ眠りについた。

朝とiPhoneと誤算

photo 張り切ってきたものの待ち時間にぐったりとするS子タン

 始発を迎えた11日午前4時、徐々に人が増え始める。そんな折、同期のS子タンから「始発にてそっちに向かうね!」とメールが。どうも順番待ちをしている乙女を心配してくれたようだ。……心配されちゃうなんて、乙女ってば罪……ありがとうS子タン。

 ドキドキしながら待っていたら、ついに到着したS子タン。もじもじして、どうも様子がおかしい。「ごめん、やっぱり私も欲しくなっちゃった! 並ぶわ!」。心配されていたはずの乙女を残し……最後尾へと走り去るS子タン。一瞬にして女子をトリコにしたiPhone、おそるべし。

 お昼の12時を前にして、体力の減退した徹夜組が口数を徐々に減らしつつある頃、店側から機種の最終確認と、正式な整理券が配られた。列に並ぶ人々は一気にテンションを上げる。いくつかの時間帯に分けての受け渡しとのことで、列後方の人々は、一度解散。

 深夜から待ったかいもあり、乙女は第1陣で無事にiPhoneをゲット! 並び始めてから13時間待ちとなる11日午後2時過ぎに入手し、帰社することができた。

photophoto あまりのうれしさに手続き窓口で受け取ったものを並べてみた乙女(左)周囲の冷たい目を気にせず、ゲットしたiPhone(未開封)を社内で高々と掲げる乙女(右)

 しかし乙女の体はもうボロボロ。今から仕事するなんて気が重い……でも、上司Nは早めに帰っていいって言ってたもんね! 早く帰ってiPhoneを今日はひたすらいじろうではないか……ワクワク。ん? なんか上司Nが手招きをしている!?

 「iPhoneゲットしたんだから、当然その顛末(てんまつ)は記事にするんだよね!」

 ……記事が書き終わるまでお預けとなったiPhone。お預けにされればされるほどいとしいiPhone。13時間待てたのだからきっと今日1日くらい我慢できるだろう。待つ恋ほど気持ちは大きく膨れあがるものだ。早く触れ合える時を祈って、乙女は仕事に励むのであった。

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