図1は、CATVインターネットを除く全ブロードバンド利用者に、IP電話利用の有無を聞いたものだ。45.9%の人が「利用している」と回答。「興味はある」と答えた予備軍を加えるとその割合は6割を超え、IP電話に対する関心の高さがうかがえる。
では、実際にIP電話を利用している人は、どのように使っているのだろう。IP電話どうしでの通話経験を聞いた図2では、「たまに通話」もしくは「頻繁に通話」と答えた人が51.3%に上る。ただし、サービスが開始されたばかりのプロバイダのIP電話では、IP電話どうしの相互通話が可能なユーザーは少ないはずなので、この51.3%のうちの大半がBBフォンの利用者であろう。
IP電話は、音声データがIP網を経由してやり取りされるため、その音質を心配する声もある。実際はどうなのだろう? 利用者に音質を評価してもらった図3では、「一般電話以上」もしくは「同等」と回答した人が6割を超えている。また、ほぼ普通に会話できるであろうレベルの「一般電話と携帯電話の間」を加えると9割近くになる。この結果から考えると、音質はほぼ問題ないといっていいだろう。
図3 IP電話の音質について評価してください
図4は、IP電話ユーザーに、IP電話導入前と比較して通話時間が変わったかを聞いたものだ。「2倍以上に増えた」もしくは「少し増えた」と回答した人は合計で27.8%、「変わらない」と答えた人は67.7%という結果となった。IP電話を導入したからといって使い方が急激に変わるわけではないが、時間を気にせずに電話できるゆとりは生まれたということだろう。
たとえば長距離電話をする際、従来であれば3分で80円(大手電話会社で170km超の場合)かかっていたのが、IP電話なら全国一律3分あたり7.5〜8円。長距離・長電話派にはとくにうれしい。
一方、IP電話導入前とあとの電話料金の変化について尋ねた図5では、「かなり安くなった」もしくは「少し安くなった」と答えている人が70.6%。導入の効果が確実に出ている。ただし、回答者の多くを占めるBBフォンの場合は、IP電話の基本料が無料のため、コストメリットが出やすいという特徴がある。Yahoo! BB以外の各プロバイダが提供するIP電話は、基本料として280円前後+IP電話機能付きモデムの差額300円前後=月額580円前後の固定費が発生する。この分の料金を安くなった通話料でカバーできるかどうかが、導入のメリットが出るかどうかの分かれ目といえる。
図4 IP電話を導入する前とあとで通話時間は変わりましたか?
図5 IP電話を導入する前とあとでの電話料金は変わりましたか?