Yahoo! Internet Guide 2000年11月号より
#009 - ADSL Part.2 |
High Speed Access |
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ADSLの高速通信には
どんな通信機器を使う?
ADSLは、一本の電話回線を通常の音声通話とインターネット接続の両方に利用する。もちろん、通話中にインターネット接続をしても問題ない。パソコンとADSLモデムの電源が入っている限り常に接続されているのだが、その状態でちゃんと電話できる。シロート的に考えると音声とデータ通信が混ざり合って通信がメチャクチャになりそうな気もするが、双方の周波数が異なるので、混ざり合う心配はない。ちょうど、歌のハーモニーで上の旋律と下の旋律が別々に聞こえる原理と同じだと思えばいいだろう。
東京めたりっく通信が採用しているADSLモデムNetDSL880/1000(米ARESCOM社製)。スタンドアローン向けのブリッジタイプと、NATでIPの割り振りができるルータータイプがある。現在は個人用コースは1.6Mbpsまでだが、モデム自体の最大通信速度は6Mbpsだ |
また、ADSLモデムにはブリッジタイプとルータータイプの2種類がある。ブリッジタイプは、パソコンを一台だけ接続する場合に利用する、これまでのアナログモデムやTAのようなものと思えばいい。ただし、モデムとパソコンはLANケーブルで接続するので、パソコンには別途LANカードが必要だ。一方、ルータータイプと呼ばれるADSLモデムは、ハブを介して複数のパソコンを接続することができる。ISDNにおけるダイヤルアップルーターのようなものだ。東京めたりっく通信の場合、両者の間では初期費用が異なっており、ブリッジタイプが2万7000円、ルータータイプが3万2000円となっている(ADSLシリーズの場合)。家庭内ネットワークで複数のパソコンを接続する場合は、当然、ルータータイプを選ばなくてはいけない。
ADSLインターネット
Q
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A |
Q
どうして通信速度が速いの?
A
その秘密は周波数にある。アナログモデムによる通信は電話交換機を経由するため音声通話の4KHz以下を使っていたが、ADSLの場合は、500KHzや1MHzといった高い周波数を使うことで、高速なデータ通信が可能となった。
Q
ISDNでも使えるようになるって本当?
A
一部報道によると、NTTは来年にもISDN回線とSDSLをセットにしたサービスを計画しており、ISDN回線をアナログに戻さずに、SDSLを利用できるようになるという。ただし、NTTから正式な発表がないので不透明な部分が多い。現在の試験サービスでも「タイプ2」なら、ISDN回線を残したままもう一回線増やす形でADSLを使える。
Q
将来的には全国に普及しますか?
A
全国津々浦々にまでエリアが拡大する可能性は低いだろう。ただ、2〜3年以内に全国の政令指定都市レベルまでは確実にエリアが拡大するものと思われる。また、地域振興のために、自治体や第三セクターが運営する地方CATV局や地域プロバイダのようなADSL事業者が登場する可能性もある。
Q
「フレッツ・ADSL」とは何ですか?
A
NTTは12月から「フレッツ・ISDN」のADSL版ともいうべき「フレッツ・ADSL」を始める。これは、現在64KbpsのISDN部分を数百KbpsのADSLに置き換えたものだ。「PPP over Ethernet」という技術を使って、ユーザーが任意のプロバイダを選べる仕組みを提供する。ただし、利用するには、パソコンにPPP over Ethernet用のソフトをインストールする必要がある。専用ソフトはNTTが配布する予定。
Q
自宅にサーバーを設置できますか?
A
ADSLを提供するプロバイダやDSL業者がグローバル*5な固定*6IPアドレスの付与サービスを行っていれば可能となる。東京めたりっく通信の場合、月額3万8000円から(768Kbps)となっている。
Q
マンションやアパートでも使えますか?
A
基本的に利用できる。ただし、オフィスビルやマンションなどで電話回線が光ファイバー化されていたり、構内交換機(PBX)が設置されている場合は、まれに使えないこともある。
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