News 2000年7月8日 00:30 PM 更新

フレッツ・アイ,ADSLを後目に大躍進(2/4)

各プロバイダの特長を検証

 調査の結果,ユーザーから見たフレッツ・アイは,契約したプロバイダによって大きく異なる貌をみせる。入り口は同じでも,地域IP網の向こう側はこんなにも違うものかと感じた。筆者は,実際にこれらプロバイダの中から3社と契約し,現在さまざまな実験を繰り返している。実を言うと,自宅にはグローバルIPアドレスのADSL回線(5月30日の記事を参照)があり,それぞれの回線とマシンを通した実験をやり放題なのだ。これについては次回以降,詳しく報告したいと思う。今回は足早に,フレッツ・アイ参加プロバイダの傾向について見ていくことにしよう。チェック項目は,以下の4点だ。

1. グローバルIPアドレスか?
 すべての参加プロバイダは接続時,グローバルIPアドレスをユーザーに割り振る。次回も同一アドレスである保証はない。しかし直後に掛けると同一アドレスが割り当てられる傾向にある。

2. IPアドレスは固定アドレス?
 接続,切断を繰り返しても一部のプロバイダは,ユーザー固有の固定IPアドレスを割り振ってくれる。

3. IPアドレスは1個?
 法人向けだが,グローバルIPアドレス8個を割り当てるプロバイダがある。

4. 先方からの一方的な切断は?
 工事や交換機のメインテナンス,システムの更新等のために切断がある。「常時接続ライク」であることに留意しよう。しかし「接続後3時間で一旦切断」と宣言しているプロバイダも中にはある。

 以上を更に詳しく見ていこう。個々のプロバイダについて,値段やサービス内容の特長を検討してみる。

ASAHIネット
http://www.asahi-net.or.jp/nttip/
月額450円コースが安い!

NTTPCコミュニケーションズ
http://www.sphere.ad.jp/sphere/
ip_service/index.html

法人向けメニューの「Biz IP 8」コースの6800円/月は固定IPが8個。サイトには,「WebやMAILサーバを立てたい方へ!」とある。実用的か否かの議論はさておき,地方の出張所クラスならば,安価かつ手軽に社員全員が固定IPを持つ手段になる。マイクロソフトのNet Meetingを使った「テレビ電話」はそれなりに実用になるだろう。

VC-net
http://www.vc-net.ne.jp/ipmenu.html
ZOOT
http://www.il24.net/
上記2社は固定IPアドレスを割り振ってくれる。自社や自宅にサーバを作れば,全世界から一義的にアクセスが可能。覚えやすいドメイン名と対応させれば(無料サービスあり)対外的に見映えがいい。反面,グローバル固定IPアドレスは非常に便利な面もあるが,身元を隠したい場合は困る人もいるだろう。
 一方,そのほかの参加プロバイダは「変動グローバルIPアドレス」方式である。しかしアクセスするたびにIPアドレスが変わるといっても,それほど不自由はしない。ダイナミックDNSサービスといって,有料・無料の「ドメイン名対応サービス」を利用すれば,固定したドメイン名で世界からアクセスしてもらえる。接続する毎の「さまよえるIPアドレスを固定ドメイン名に対応させる」作業は,これを自動的に行うバッチファイル/スクリプトが多数存在するから心配ない。

NTT-ME
http://www.wakwak.com/ip24/index.html
個人用ホームページの容量が50Mバイトとは大盤振舞いだ。800円/月もポイントが高い。しかし自分でサーバを立てれば,遅くたってギガ単位のWebページが持てる(と,強がりを言う……)。

Panasonic Hi-HO
http://home.hi-ho.ne.jp/
連続3時間接続で自動切断されるとか。ユーザーが勝手にサーバを立てるのがイヤ? それともユーザーの健康を心配している?

AT&T WorldNet
http://www.att.ne.jp/
IIJ4U
http://www.iij4u.or.jp/
この2社は,特に米国サイトへの接続時に高速。

 フレッツ・アイの本当の狙いは?