News 2000年7月17日 09:45 PM 更新

シャープ,画素密度100ppi以上の高精細液晶ディスプレイを発表

画像 シャープは7月17日,画素密度100ppi(Pixel Per Inch)以上の高精細TFT液晶ディスプレイ「ワンダーピクス」シリーズを発表した。同社独自の高開口率技術「UHA」(Ultra High Aperture)により,高輝度・高精細を両立している。8月より液晶パネルの生産拠点である三重第2工場において,順次量産・出荷を開始する予定だ。シャープでは今後,ワンダーピクスシリーズを液晶パネルの中核製品として展開する構えで,年内に月産10万枚の生産体制を敷く。

 UHAは,従来の「SHA」(Super High Aperture)と呼ばれる技術をベースにしたもの。アルミ配線を多用する高密度設計により,SHA技術で開発した液晶パネルと同じ明るさを保ちつつ,高解像度・低消費電力(ともに20%程度向上)を実現しているのが特徴だ。

「輝度と画素密度は本来トレードオフの関係にあるが,UHA技術ではその両方を高レベルで実現することが可能だ。ワンダーピクスシリーズは,CRTディスプレイでは困難と言われる100ppi以上の高精細化を実現しており,間近で見てもほとんどドットが分からない。グラビア印刷に匹敵するクオリティだ」(シャープ)


現在開発中の28.3型の高精細・高輝度液晶ディスプレイ
 シャープが今回発表したのは,SXGA+対応のノートPC用カラーTFT液晶モジュール3製品(13.3/14.1/15型),ならびにUXGA対応のディスプレイ用TFT液晶モジュール2製品(15/20型)。そのほか,教育・医療用途のQSXGA対応28.3型液晶パネルや,携帯端末向けのXGA対応6.4型液晶パネルも開発中だ。量産開始時期は,ノートPC/ディスプレイ向けが8月,28.3型が年内,6.4型は2001年春となっている。なお価格についてシャープでは,「従来の同サイズの液晶パネルと比べて,約20%高くなる」としている。

 今回発表されたワンダーピクスシリーズのラインアップならびに仕様は以下の通り。

ノートPC用パネル
画面サイズ 13.3型 14.1型 15型
解像度 SXGA+(1400×1050ピクセル)
画素数 147万画素
画素密度 132ppi 124ppi 117ppi
輝度 150カンデラ
表示色数 26万色

ディスプレイ用パネル
画面サイズ 15型 20型
解像度 UXGA(1600×1200ピクセル)
画素数 192万画素
画素密度 133ppi 102ppi
輝度 200カンデラ
表示色数 1677万色
視野角 左右160度,上下130度

開発中パネル
画面サイズ 28型 6.4型
解像度 QSXGA(2560×2048ピクセル) XGA(1024×768ピクセル)
画素数 524万画素 79万画素
画素密度 116ppi 202ppi

 またシャープでは今後,液晶TV向けのパネルとして,UHA技術をベースに,視野角・応答速度を向上させたものを開発する計画だ。「シャープは,1枚でAVC(Audio Visual Computing)を実現する液晶パネルの開発を目指す」(同社)

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[中村琢磨,ITmedia]

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