News 2000年7月25日 11:05 PM 更新

Napsterに続け? 「P2P」新興企業群に成功のチャンスはあるか(1)

あっという間に2000万人のユーザーを獲得したNapster。同社に続けとばかりに各所でピア・ツー・ピア(P2P)型のファイル共有サービスが誕生しつつある。だが,これらは果たして利益をあげることができるのか?

 インターネット世界の新興企業の間で,珍しく「経験則」が受け入れられつつある。最近この世界で広く信じられているのは,「Napsterは,個々のユーザーのコンピュータをサーバとして機能させるピア・ツー・ピア型ネットワーキングの実力を証明するキラーアプリケーションだ」という捉え方。結果として,大勢の起業家がNapsterライクなアーキテクチャに飛びつき,このビジネストレンドの恩恵にあずかろうと躍起になっている。

 しかし,偶然にも音楽業界に大波をもたらしたNapsterの「成功」を,これら起業家は誤って解釈しているだけなのかもしれない。このピア・ツー・ピアというモデル(早くも「P2P」という略称で語られ始めている)には既に落とし穴も発見されている。この落とし穴のせいでこのビジネスモデルは,数年前に暗礁に乗り上げたいわゆる「プッシュ技術」のように,空約束に終わってしまう可能性もある。

 Napsterは破壊的な現象だが,どちらの側の意見を聞くかで解釈は変わってくる。Napsterを始めとするファイル共有技術は,数千億ドルという娯楽産業のビジネスモデルを覆す脅威だとも,合法的な音楽販売を推進するマルチメディア業界の強力な「Virul Marketing」型流通経路だとも言われている。いずれにせよNapsterが,1年も経たないうちに2000万人ものユーザーをひきつけ,P2Pファイル共有技術から利益を得ようとするたくさんの新設企業を生み出す先導役になっていることに変わりはない。

 「Napsterを見て欲にかられる人が多い」と指摘するのはGartnerGroup DataquestのアナリストChris LeTocq氏。

 Napsterモデルを手がかりとした企業にはAppleSoup(Napster創設当初の出資者2人が設立。7月18日の記事参照),iMesh.com,Lightshare,Scourなどがある。また,eMikolo.com, Kalepa Networks, Pointera,Softwax Softwareの各社は,P2Pネットワーキング向けのインフラを他のポータルやISPに販売することにより収益を得ようとしている。

 P2Pはなぜこんなにもてはやされているのだろう? アナリストや業界関係者は,NapsterはWebを,個々にインターネットに接続されたPCで構成される1つの仮想的なサーバに仕立て上げることで,コンテンツ配信の効率をアップさせることを考えついたからだと言う。こうすることで,想像を超えるほど大きなコンテンツ貯蔵庫ができあがる。

 「この技術はインターネットの基盤となっていく可能性が非常に高い」と話すのはForrester Researchのアナリスト,Eric Scheirer氏。

 P2Pのもう1つの魅力はその大衆主義的な側面だ。P2Pではユーザーは中間媒体を経ずに直接の情報交換をしている感覚を得る。AppleSoupの共同設立者Adrian Scott氏(27)は,この感覚を強調する。「P2Pは人々を結びつけるというインターネットの原点そのものだ」。同社は近く,著作権管理機構を組み込んだNapsterライクなサービスを開始する計画。

 Napsterが考え出したコンセプトが驚くほど急速な普及を見せたがために,実際のところは,P2Pネットワークとは無関係な会社まで,これの仲間と捉えられているところもある。一部の新興企業は,大きく複雑な問題を個々の小片に分けて,インターネットを使い,数千台のクライアントPCに割り振るという「分散処理」の概念を売りにしている。これにより,総体的な力として,世界でも最速のスーパーコンピュータに匹敵する結果を引き出そうとするものだ。しかし,このモデルは高度に分散化されているという点ではNapsterと相通ずるものがあるが,基本的なアーキテクチャと目的という点では全く異なっている。

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