News | 2000年7月26日 08:00 PM 更新 |
メーカー系大手ISP(インターネットサービスプロバイダー)が相次いで「月額2000円無制限コース」の導入を表明している。NECが運営するBIGLOBEは7月26日,月額2000円で使い放題の定額固定制を9月1日より導入すると発表。これまで定額固定料金の導入をためらってきたBIGLOBEだが,新規ユーザーの拡大に向けて,ついにサービスの提供を決めた。さらにBILOBEでは,短時間コースでの超過料金の値下げなど,サービス体系の刷新を行う。
BIGLOBEを運営するNECによれば,定額固定制の導入に踏み切ったのは,「この1年が,生き残りを賭けた勝負の年となる」と判断したためだという。「インターネットの利用率が15%を超えた時点で,インターネットユーザーは爆発的に拡大すると言われている。そのチャンスを逃さないために,魅力的な価格体系を打ち出して,ユーザーにアピールする」(NEC)
9月1日以降のBIGLOBE料金体系の変更点 |
月額2000円の定額固定制「使いほーだい」コースの導入 |
5時間1000円の「わいわい1」コースを950円に値下げ |
わいわい1/わいわい5,デイタイムコースの超過料金を10円/分から5円/分に値下げ |
わいわい5,デイタイムコースにおいて,ホームページ開設サービス(5Mバイト)を無料化 |
BIGLOBEが今回初めて定額固定制を導入するのに対し,ライバルの@niftyは以前から月額5000円で定額サービスを行っている。だがニフティによれば,定額コースの利用者は@nifty全体の数%に過ぎず,あくまでヘビーユーザー向けのコースで,さほど重要視されていなかったという。ところがニフティは7月13日,3000円値下げして月額2000円のフラットレートを導入すると発表(7月13日の記事参照)。一転して定額コースは,@niftyの主力サービスと位置付けらることになった。
ニフティの渡辺武経社長はこの大幅値下げについて,「定額制の狙いは,1つにフレッツ・ISDNへの対応がある。また@niftyは単なるISPではなく,コンテンツ重視のサービス提供を目指している。その場合,ユーザーのサイト滞在時間が大きなポイントとなるため,利用時間無制限のユーザーを拡大させることは必須だった」と話す。
そんな折りに発表されたBIGLOBEの定額固定サービスは,料金・開始時期ともに@niftyと全く同じだ。NECでは,「@niftyのフラットレート導入は関係ない。ほかのISPも月額2000円で使い放題のサービスを提供している」と強調するが,ライバルの@niftyの動向を意識していることは明らか。さらにBIGLOBEでは,非キャリア系のISPでは@niftyやぷららネットワークスなど少数が提供している電話代コミコミプランも検討しているというから,今後,ますます競争が激化しそうだ。
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[中村琢磨,ITmedia]
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