News 2000年7月27日 08:00 PM 更新

急速に立ち上がる米国のWAPサービス

 サンフランシスコで開催中の携帯インターネット開発者向け会議「Unwired Universe 2000」(U2)の2日目,WAP ForumでCEOを務めるScotto Goldman氏がWAPの現状について講演を行い,米国の携帯インターネット市場が急速に拡大しているというデータを示した。同氏によると,今年の5月から6月にかけて,たった1カ月でWAP対応サイトの数は2倍以上に伸びているという。

 Goldman氏によると,WAP Forumの登録開発者の数は6月時点で30万人に達し,利用可能なWAPコンテンツのページ数は240万ページ,2万4000サイトに上るという。実は,2000年1月の時点では,まだほんの数万ページのコンテンツしかなかったのだが,今年5月に約100万ページ,そして6月の240万ページと急増している。一昨年のU2への参加者が500人だったのが,今年は1万7000人に膨れあがっていることからも,携帯インターネットへの注目度の高さが現れている。

 携帯電話業界には,広帯域を実現する第3世代技術の登場を控え,“WAPでなくても通常のHTMLベースでアプリケーションを構築できるだろう”との見方もあるが,Goldman氏によると,いくつかの理由から今後も携帯電話に特化したWAPの重要性は薄れないという。

 WAPには,ロケーション情報のやりとりが標準化され,電話機能と統合され,プッシュ型情報配信を実現する仕組みが用意されている。もちろん,小さな画面を意識した記述が可能だ。これらに加え,WAPにはデータ圧縮などデータ量削減の工夫も多い。

 Goldman氏は「3Gで帯域は大幅に拡大するが,帯域あたりの単価は2Gの半分でしかない。つまり,そのまま広帯域をデータ通信に利用することは得策ではない。WAPで携帯電話向けに最適化する必要がある」と述べ,384Kbpsのうち,データ通信で使われるのは平均で20〜40Kbps程度になるとの見通しを示した。広帯域を贅沢に使うのではなく,WAPで効率よく3Gの帯域を利用しようという提案である。

 また,WAPのセキュリティ機能がAMEX,VISA,MasterCard,Amazon,Verisignなどから認められたものであることや,WAPが今後XMLベースのコンテンツ技術をサポートすること,W3Cと協力して携帯電話向けコンテンツ言語の規格策定作業を行っていることを挙げ,開発者たちにWAPへと今すぐコミットすることを促した。

米国が日本を抜く日

 米国は,日本と比べて携帯インターネットの分野で遅れているとの印象が強い。しかしその原因は,サービスの開始時期が遅れたためだという見方が強い。日本では昨年の春に携帯インターネットサービスが開始されているが,米国ではスプリントが6カ月以上遅れてサービスを開始したばかり。

 しかし,冒頭で述べたWAPコンテンツの急速な立ち上がりを見ると,米国市場でも携帯インターネットが爆発的に伸びることになるだろう。日本が携帯インターネット先進国であることは,現時点で疑いようのない事実ではあるが,この先は米国が抜き去ることになるはずだ。2年後には,ブラウザ内蔵の携帯電話の利用者数で,米国が日本を抜くと言われている。

 一方,携帯電話向けサービスの面では,Yahoo!やGoogle,Amazonなどが携帯電話にサイトを対応させており,今後は渋滞情報やゲームなど,さまざまなサービスが開始されるとアナウンスされている。サービスやコンテンツの計画に関しては,既に日米格差はほとんど存在していない。単に契約者数で日本が先行しているだけ,という印象を強く受けるデータに,iモードの限界が見えるように思う。

[本田雅一,ITmedia]

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