News 2000年8月9日 11:09 PM 更新

NTT東日本,謎の“DSL&ISDN”サービスを計画中!?

 「xDSLとISDNは同居できない」という常識が覆される日が近いのかもしれない。8月8日から9日にかけて,いくつかの報道機関が相次いでNTT東日本の新サービスに関する記事を掲載した。それは,NTTがISDNとDSLを組み合わせたサービスを開始するというもの。しかし,業界関係者は,その内容に頭を捻っている。

 記事の内容には,いくつかのパターンが見られる。例えば,東京新聞では,ISDNの2回線(Bチャネル×2)にDSLの1回線を加え,計3回線で電話,FAX,高速インターネット接続を同時に利用できるという内容だ。また,日経BPのWebサイトでは,ISDN回線の上でSDSL技術を使い,1Mbps程度のインターネット接続が可能になるとしている。

 こうした報道について,NTT東日本に問い合わせてみたが,あまり明確な答えは返ってこなかった。どうやら,「DSLとISDNの使い勝手を組み合わせたサービス形態を検討中」(同社広報)ということらしいが,技術的な説明はない。現状で明らかなのは,“複数のチャネルを同時に使え,高速でインターネット接続も可能なサービス”といったところか。また,NTTでは,サービスの開始時期や実効スピード,価格等に関しても未定だと話している。

正体はISDN+Annex.H?

 このサービスを実現できそうな技術として,東京めたりっく通信では,ADSLの「Annex.H」を挙げている。Annex.Hは,現在国内でも使用されているAnnex.Cの改良版で,ADSLという分類ながら対照型(上り/下りが同じスピード)の転送レートを持つのが特徴だ。また,ISDN回線と束ねても干渉を受けにくいという特性から,将来的に1加入者線で同居できるようになる可能性も否定できない。

 東京めたりっく通信も今秋にはAnnex.Hを導入する予定であり,「上り/下りとも2Mbpsのスピードが出る」(同社の副社長兼CEO,平野剛氏)としている。仮に,NTTがこれを採用し,さらにISDNと同居することができれば,ほかのDSL事業者と競合する上で,大きな武器になることは間違いないだろう。

[芹澤隆徳, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.