News 2000年8月17日 07:40 PM 更新

日本HPがPocketPC「Jornada 548」を正式リリース

日本HPは,10月5日に「HP Jornada 548」を発売する。カラー液晶パネルやステレオヘッドホンジャックを搭載するマルチメディア指向の携帯端末だ。

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は8月16日,マイクロソフトの「Pocket PC日本語版」を搭載した携帯情報端末「HP Jornada 548」を発表した。米国では,同じシリーズとして「Jornada 545」「同540」も販売されているが,「540はビジネス向け,また545はメモリ容量が少ないバージョンのため,日本市場には適さない」と判断し,ラインアップには加えられなかった。一方,従来のハンドヘルドPC「Jornada 680」シリーズは,今後も併売し,後継機種も登場する予定だとしている。

 Jornada 548は,カラータッチパネルディスプレイを搭載したマルチメディア指向の携帯端末。フランス人デザイナーの手によるきょう体は,曲線を多用した流麗なユーロ・デザインだ。スタイラスや,カバー裏側のスタイラス収納部まで曲線で構成されている。また,HPでは,カバーのカラーバリエーション化も検討しているという。

 本体サイズは78(幅)×30(高さ)×16(厚さ)ミリ。重量は260グラム。本体左側にはジョグダイヤルとボイスメモボタンを配し,背面上部にはコンパクトフラッシュType Iスロットを搭載した。CFスロットは,外部ストレージや各種通信モジュールを接続することができる。HPによると,既にTDK PPC用モデムカードは検証済みであり,そのほかの対応製品についても,「検証が終わり次第,Webで公開する」と言う。また,同社ではコンパクトフラッシュ型のBluetoothモジュールを開発する方針を明らかにしており,「純正オプションとして,年末にも発売する予定だ」(同社)。

 バッテリーには,連続8時間駆動が可能な充電式を採用した。クレードルはUSB接続のものが標準添付されるが,オプションとしてシリアル版も用意されている。

 CPUは,日立製作所のSH-3/133MHz。Pocket PC標準のソフトウェアプレーヤー「Windows Media Player」はWAV,MP3,WMAをサポートし,ヘッドホンをつなげれば,ステレオで音楽を楽しむことができる。また,コンパクトフラッシュなどに記録されたデジタルカメラ画像は,バンドルされているコダックの「PictureShot」で閲覧可能。また,付属CD-ROMには3Dゴルフゲーム「Zio Golf」(5ホール限定版)なども含まれている。

 さらにHPでは,オリジナルのソフトウェアを搭載することで,他社製品との差別化を図った。「HPホームメニュー」は,使用頻度の高いアプリケーションや各種設定を登録できるアイコンメニュー。「HP設定」は,ディスプレイの輝度やコントラスト調整,音量,メモリ/ストレージの残量表示などが可能な設定ソフトだ。このほか,PIMデータをコンパクトフラッシュにバックアップする「HPバックアップ」,動作中のアプリケーションを切り替える「HPタスクスイッチャ」などが搭載されている。

モデル Jornada 548
CPU  SH-3/133MHz
メモリ 32Mバイト
液晶ディスプレイ タッチパネル式カラーSTN液晶(240×320ピクセル,4096色)
本体サイズ 78(幅)×30(高さ)×16(厚さ)ミリ
重量 260グラム
価格 オープン(10月5日発売)
付属品 USBクレードル,シリアル接続ケーブル,ACアダプタなど

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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