News 2000年8月22日 09:34 PM 更新

@niftyがCATV事業者向けにネット接続導入サービスを提供

富士通とニフティはCATV事業者向けのネット接続サービスソリューションを発表。ISPに@niftyを利用する常時接続サービスで,通信速度は上下ともに最大で512Kbpsだ。

 富士通とニフティは8月22日,CATV事業者向けのインターネット接続サービス導入パック「Cable@nifty」の提供を開始した。Cable@niftyは,富士通がCATV事業者の回線を借り受け,エンドユーザーに常時接続サービスを提供するもの。富士通のデータセンターやサポートシステムを利用することで,CATV事業者は短期間でサービスを開始することができる。

 Cable@niftyは,バックボーンに富士通の高速ネットワークインフラ「富士通 FENICSネットワーク」を採用。これにCATV事業者が保有する伝送路を接続する。通信速度は上下ともに最大で512Kbpsだ。料金プランについては,「各CATV事業者ごとに決定する」(富士通)としているが,月額で5000円前後になる見込みだ

 Cable@niftyを利用するCATV事業者のネット接続サービスは,基本的に@niftyブランドで提供される(つまり,エンドユーザーは@niftyのサービスに加入することになる)。ただ,Cable@niftyでは「PBIS」(プライベートインターネットサービス)というメニューを用意しており,CATV事業者が仮想的にオリジナルブランドのサービスを提供することも可能になっている。

 また富士通は,既にISP事業を行っているCATV事業者向けに「マルチISP」という機能を用意した。通常,CATV事業者のネット接続サービスを申し込む場合,ISPはそのCATV事業者ということになるが,マルチISP機能では,サービス加入時にCATVの独自サービスか,または@niftyをISPとするサービスのどちらかを選択できるようになる(両サービスの同時利用は不可)。ただ富士通によれば,CATV事業者によってはマルチISP機能に対応できない場合もあるという。

 さらにエンドユーザーは,CATV事業者が発行するIDを利用して,ダイヤルアップ接続を行うことも可能だ。アクセスポイントには,@niftyが持つ国内191カ所,海外100カ所を利用できる。「従来のCATV常時接続では家庭での利用がメインだったが,Cable@niftyを利用すれば,モバイル環境ではダイヤルアップ接続でアクセスするといった使い方が可能になる」(富士通)

 なお富士通によれば,既存の@nifty会員がCable@nifyを利用するCATV事業者のサービスを利用する場合には,別途登録が必要になるという。

 CATVネット接続のアウトソーシングサービスは,導入コストや運営費用を削減できることから,ISPとしてのノウハウや設備を持たない事業者の参入を促進する。例えば,佐賀ケーブルテレビは,エヌ・ティ・ティ エムイーの「WAKWAK CATVパック」の採用を決めている(8月9日の記事参照

関連リンク
▼ 富士通
▼ @nifty

[中村琢磨, ITmedia]

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