News 2000年8月23日 02:22 PM 更新

Intel,IDFで2GHzのPentium 4をデモ

IDFでPentium 4のクロックスピードトライアルを行った米Intel。カウンターは最高で2002MHzを表示した。

 米カリフォルニア州サンノゼで開催されている「Intel Developer Forum」初日,Intel上級副社長兼ジェネラルマネジャーのAlbert Yu氏は,一連のマイクロプロセッサ関連の発表と今後のスケジュールに関して言及した後,最後に恒例となったクロック速度トライアルを実施。2GHzでPentium 4を駆動して見せ,「18カ月前の1GHzデモから2倍に向上した。現在でもムーアの法則は生きている」と宣言した。

 Yu氏がSonyと共同で開発したSSE2対応アプリケーションのデモが終了した後,デモを共同で行ったアシスタントが舞台に戻ってくる。「Yuさん,あれをやらないと気が済まないですよね」と促すと,スクリーンにはクロック周波数を示すユーティリティの画面が……。1900MHzあたりから始まったカウントアップは,近年の歴史を振り返るかのように徐々に2000に近付く。

 最終的にクロック周波数は2002MHzまで進み,「2001年で止まるはずだったんだけど」とYu氏。目標を超えながら残念そうな声は,2001年に2GHzを実現することを暗示したかったからかもしれない。Intelは来年,0.13ミクロンプロセスのPentium 4で2GHzを達成するといわれているが,製品の方は間違って2002年にずれ込まないことを期待しよう。

 さて,Yu氏が行った講演は,クロック速度トライアルだけではない。Pentium 4/1.4GHzとSSE2の実力を示すため,Yu氏はMPEG2エンコードとDVデコードをソフトウェアのみで同時に行うデモを実施した。これは,SonyとIntel Architecture Lab.が共同で開発を進めてきたものだ。

 Pentium 4/1.4GHzは,iLINKポートから入力したDVのビデオストリームをリアルタイムでデコードして画面表示しながら,それを同時にソフトウェアでMPEG2エンコードした。少なくとも,見た目のコマ落ちはほとんど観察できない。一方,同時に走らせたPentium III/800MHzのマシンではコマ落ちがひどく,動画とは言い難い画面だった。

 このほかにYu氏が発表したのは,256Kバイトのオンダイキャッシュを持つPentium III Xeon/1GHzと,Linuxが動作するItaniumシステムなど。クラスタ内のあるサーバがダウンしても,そのサーバ上で動作しているサービスを中断することなく,ほかのサーバで引き継ぐ技術も披露した。さらに,Transmetaを意識したのか,Yu氏にしては珍しくモバイルプロセッサの消費電力について触れ,モバイルPentium IIIに,長時間のバッテリー駆動を実現するためにクイックスタートモードが装備されていることもアピールした。モバイルプロセッサに関しては別途レポートを掲載する予定だ。

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[本田雅一, ITmedia]

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