News 2000年8月25日 05:42 PM 更新

人騒がせなピカチュウ,正体は既知のウイルス

 8月24日から25日にかけて,国内の各メディアが報じた「米国でピカチュウ型ウイルス発生」は,既知のウイルス「Pokey」のことだった。

 日本ネットワークアソシエイツ(NAI)では,このピカチュウ型ウイルスが今年6月に発見されたトロイの木馬型ウイルスであり,6月21日発行のパターンファイル「DAT4083」で対応済みであるという告知をWebサイトに掲載した。また,今回の報道で情報発信元とされたトレンドマイクロでも,6月末に発行した「パターンファイル733」以降で対応済み。同社では,今になってPokeyが話題になったことについて「24日に米国で何があったのかは分からないが,ピカチュウという人気キャラクターが使われたことに報道機関が刺激されたのでは……」と話している。

 ピカチュウ型ウイルスは,ピカチュウを模したアイコンの実行ファイルとしてメールで届く。このファイルを実行すると,画像とともに「僕は星の数ほどの人々の中から君を見つけたんだ。この日を忘れないで」(英文)というメッセージが表示され,AUTOEXEC.BATを書き換える。AUTOEXEC.BATを持たないWindows NTなら影響はないが,Windows 9xの場合,再起動時にシステムファイルが削除されてしまうという。

 また,システムにマイクロソフトのメーラ「Outlook」がインストールされていた場合は,アドレス帳にあるすべてのアドレスに自らのコピーを自動送信する。ただし,Visual Basic 6のランタイムライブラリがない環境では動作しない。

 米国では,既に10数件の被害が報告されているが,NAIおよびトレンドマイクロによると,「今のところ国内で被害は確認されていない」という。

関連リンク
▼ 日本ネットワークアソシエイツ
▼ トレンドマイクロ

[芹澤隆徳, ITmedia]

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