News 2000年8月30日 07:59 PM 更新

ディスカウントストア大手のミスターマックス,オンライン店舗を開設

 九州地方を中心にディスカウントストアを展開するミスターマックスは8月30日,NTTデータならびに大日本印刷と共同で, EC事業を行う「NETMAX」を10月上旬に設立すると発表した。新会社は,10月6日よりサービスが始まる「バーチャル・ディスカウントストア」の運営を担当する。

 NETMAXは,ミスターマックスのEC事業推進本部が独立する形で設立される。資本金は1億5000万円で,出資比率はミスターマックスが59.3%,NTTデータが13.3%,大日本印刷が12%,そのほか個人投資家などが15.3%となっている。社長には,EC事業推進本部長の吉田康彦氏が就任する予定。

 バーチャル・ディスカウントストア立ち上げの目的は,「よりユーザーニーズに即した商品のラインアップを実現し,Webで得た顧客関係構築のノウハウを実店舗にフィードバックする」(ミスターマックスの平野能章社長)こと。つまり,同サイトを,ワントゥーワンマーケティングやCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)の実験フィールドとして活用しようという考えだ。

 そこでバーチャル・ディスカウントストアでは,会員専用サービスとして,ポイント制度やカスタマイズ機能などを導入。会員顧客は,購買履歴や配送状況,ならびにポイント数などをWeb上で確認できるという。商品のラインアップについては,サービス開始当初は,日用品や衣料品など約5000点を用意。価格は,配送料を含めて「実店舗と同等かそれ以下にしたい」(吉田社長)としている。なお,NETMAXでは配送をヤマト運輸に委託し,料金は一部離島を除き,一律800円になる見込みだという。

 バーチャル・ディスカウントストアは,既存の実店舗と補完関係を構築する,いわゆるクリック&モルタル型のECサービスだが,ミスターマックスの平野社長は「サイトのサービス内容や機能面では,既存のオンラインモールやショッピングサイトと大差ない」と自ら認める。「NETMAXでは,他社との差別化ポイントを,ビジネスモデルではなく,商品力に置く。ミスターマックスを通じて商品を仕入れることで,常に売れ筋商品を確保することが可能だ」(同社長)

[中村琢磨, ITmedia]

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