News 2000年9月4日 06:45 PM 更新

利用者のモラルの問題――ドコモがiモードを悪用したいたずら110番への対策を発表

 NTTドコモは9月4日,郵政省から指導を受けていた「iモード110番問題」について対策を発表した。iモードは,ホームページ上から直接電話番号を発信できる「Phone To」という機能を備えるが,この機能を悪用したいたずらが頻発。中でも,110番をダイヤルさせるものが多く,先月21日には,アイコンをクリックすると110番につながるホームページを作成した専門学校生が偽計業務妨害容疑で逮捕されており,警視庁が郵政省に対策要請を行っていた。

 対策としてNTTドコモは,今年12月以降発売予定のiモード対応電話機から,1)ダイヤル発信時にディスプレイに相手先電話番号を表示し,2)利用者に対しダイヤルを行うかどうかを確認する,という手順を踏まないとダイヤルできないようにする。現在の携帯電話でも,ダイヤル発信時に相手先番号は表示されるが,表示後すぐにダイヤルが開始されてしまうため,発信する前にワンクッションいれることにした。

 また,現行の携帯電話の利用者に対しては,請求書に注意を喚起する内容の文書を同封する,ならびにPhone to機能を利用する場合は,着信先の相手に了解を得るよう促すとしている。ただ,NTTドコモでは,「実際には,ダイヤルが開始されるまでに1〜2秒の時間があり,(110番にダイヤルした人は)110番と気づいたにもかかわらずかけている」と,いたずらホームページ作成者はもちろんだが,利用者のモラルの問題についても指摘する。

 iモード対応ホームページは,Compact HTML(CHTML)というマークアップ言語で作成する。CHTMLは,HTMLのサブセットであることからホームページの作成が容易で,公式/非公式あわせて約2万ものサイトが存在。問題のPhone to機能は,iモード携帯電話全機種に対応するCHTML 1.0で利用できるため広く普及しているが,アイコンを選択して意図せずダイヤルが開始されたときは,切断するようにしたほうがよい。

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[中村琢磨, ITmedia]

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