News 2000年9月4日 08:15 PM 更新

コンパック,iPaqを日本投入

コンパックは,米国で展開中の「iPaqビジネス市場戦略」を日本でも発表。iPaq Internet Deviceを投入するとともに,5社のパートナーとの協業によるビジネスポータルを開設した。

 コンパックコンピュータは9月4日,「Compaq iPaq Internet Device」を国内投入することを発表した。iPaqは,インターネット利用に特化した低価格PCを中心とする製品ファミリー。昨年11月に米国で発表(1999年11月11日の記事を参照)され,今年8月にはPocket PCやMP3プレーヤーなどを含むコンシューマー向け製品(8月17日の記事を参照)も追加されている。

 ただし,今回,日本でリリースされたのは,ビジネス向け製品のみだ。コンパックは,「今後,ビジネス向けPCとコンシューマー向けPCは融合する」としてiPaqによる統一ブランドを訴求しているが,国内では,当面ビジネス向けブランドという位置付け。コンシューマー製品の国内展開は「検討中」(同社)であり,唯一2001年初頭に投入すると明らかにされたPocket PCも,一般販売店で購入できるようになるかどうかは未定だという。


前面には,上から電源ボタン,電源ランプ,システム動作ランプ,マイク,ヘッドフォン,USB×2を装備する。

 iPaq Internet Deviceは,ASPやイントラネットの専用端末といった利用を想定し,必要のない機能を極力省いた製品だ。内蔵メモリやHDDを盗難から守るため,きょう体の内部に専用カバーを設置するなど,セキュリティ機能が充実している。一方で,CD-ROMドライブやFDD,PCIスロットなどを排除することで,管理の手間とコストを削減するという。

 キーボードとマウスはUSB接続となり,7つのインターネットボタンを装備するイージーアクセスキーボードを標準添付。CD-ROMドライブなど外部ストレージを増設したい場合は,外部接続のマルチベイで対応する。

 ただし,企業ではシリアルやパラレルが必要になるケースも多いため,PS/2ポート,シリアル,パラレルを残した「レガシーライトモデル」と,それらも排除した「レガシーフリーモデル」の2種類を設定している。価格は,レガシーライトモデルが7万3800円。レガシーフリーモデルが6万9800円から。主な仕様は以下の通り。

製品名 iPaq Internet Deviceレガシーフリーモデル
CPU Celeron/500MHzもしくはPentium III/733MHz
メモリ 64Mバイトもしくは128Mバイト(最大512Mバイト)
HDD 4.3Gバイトもしくは10Gバイト
OS Windows 2000 Professional
価格 6万9800円(Pentium III/733MHzモデルは11万5800円)

製品名 iPaq Internet Deviceレガシーライトモデル
CPU Celeron/500MHz(最大512Mバイト)
メモリ 64Mバイト
HDD 4.3Gバイト
OS Windows 95/98デュアル
価格 7万3800円

パートナーとビジネスポータルサイトを開設

 コンパックではiPaq製品の市場投入に伴い,米国と同様のビジネス向けポータルサイトを立ち上げる。名称は「b2bpot.com」。実際の運営はエキサイトが担当し,シマンテックのウイルス/セキュリティ情報やピーエスアイネットのインターネットサービス導入相談など,「企業が,的確で効率のよい情報収集やサービスを得るためのコンテンツ」(同社)をそろえていく方針だ。パートナーは,前述の3社に加え,モバイルASPサービスを提供する日本通信,ストリーミングサービスのJストリームの計5社。

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関連リンク
▼ コンパック
▼ b2bpot.com
▼ エキサイト
▼ Jストリーム
▼ シマンテック
▼ 日本通信
▼ ピーエスアイネット

[芹澤隆徳, ITmedia]

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