News 2000年9月6日 08:56 PM 更新

NTTが地図連動型のWebデータベースを開発,光ファイバーで利用実験へ

NTT東西地域会社は6日,地理情報システムと連動したWeb-DBアプリケーションを発表した。同社は将来的に「商店広告サービス」の構築ツールとしてこれを販売する意向。

 NTT東西地域会社は9月6日,地理情報システム(GIS:Geographic Information Systems)と連動したWeb-DBアプリケーションを発表した。Webブラウザに表示された地図を直接クリックして,飲食店などの地域情報を表示することができるというもの。NTTでは,将来的に「商店広告サービス」の構築ツールとしてこれを販売する意向であり,金沢市で実施中の「FTTH金沢トライアル実験」で実用化に向けた利用実験を開始する。

 「地図連動型Web-DBアプリケーション」は,「情報発信テンプレート」と地理情報システム,およびVOD(Video on Demand)などのマルチメディアアプリケーションから構成される。NTTサイバーコミュニケーション総合研究所が開発した地図-DB連動システム構築ミドルウェア「MM情報マップディレクトリ」を採用しており,ネットワーク上に分散している複数のDBを,あたかも単一DBのように扱うことができるのが特徴だ。また,アプリケーションはJavaで記述されているため,利用環境も選ばない。

 このシステムを利用したWebサイトでは,閲覧者が検索したいエリアやジャンルをマウス操作で絞り込むと,検索結果がリスト表示されると同時に地図上にアイコンが現れる。閲覧者は,リストもしくはアイコンをクリックして店舗などの詳細情報を得ることができる。


左上が地域選択ツリー,その下がジャンルツリー。地図の下に検索結果がリスト表示される。

 詳細情報は,それぞれの店舗が作成する。情報発信者は,ブラウザ上で専用のテンプレートを使用し,容易にWebページを作成することが可能だ。フォームに従って必要事項を入力し,バックの色などを選択。画像やビデオを張り付ける際も,ブラウザ上でローカルHDD内のファイルを指定するだけでよい。「地域に密着した情報をリアルタイムに発信するためには,商店主などが直接(Webページを)更新する必要がある。このテンプレートで,パソコンに不慣れな人でも簡単に操作できるしくみを提供する」(NTT)。


テンプレートの画面,画像のアップロードもブラウザ上から行える。

 NTTでは,金沢市で実施されているFTTH金沢トライアル実験でこのシステムを運用し,各機能の検証およびユーザーニーズの抽出を図る。利用実験は,約100人の情報提供者と約120人(約40回線)のFTTHモニターが参加するほか,一般インターネットユーザーも閲覧することが可能だ。利用実験の日程は,9月11日から来年5月17日まで。

 なお,実験に光ファイバーを使用することに関してNTTでは「高速なインフラでないと使えないという訳ではない。実際,利用実験でも情報発信者側はISDNの64Kbpsを使用する。仕様によっては確かに重くなるかもしれないが,64Kbpsでも実用に耐えうるだろう」(同社)と話している。

関連リンク
▼ NTT東日本
▼ NTT西日本

[芹澤隆徳, ITmedia]

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