News 2000年9月14日 09:31 PM 更新

ヤマハ,新人ミュージシャン発掘へネットオーディションを開始

ヤマハは,ネットオーディション「MusicFront」の公開審査を9月15日から開始する。一般リスナーが選んだ新人はネット配信でデビューするなど,ネットづくめの新人発掘イベントだ。

 ヤマハは9月15日から,新人ミュージシャン発掘イベント「MusicFront」の公開オーディションをネット上で開始する。一般リスナーが応募作品を試聴して評価し,好評だったミュージシャンは楽曲を有料ネット配信することでメジャーデビューさせる仕組み。ヤマハは,音楽コンテンツや楽器などの資産をネットで活用していく新しいビジネスモデルを模索中で,MusicFrontはその最初の試みだという。

 MusicFrontでは6月に作品の応募を開始(6月8日の記事参照)。これまでにネット経由や郵送などで約700組から合計約2100曲が寄せられた。応募作品は同社で一次選考を実施し,残った100曲程度が公開オーディションに“出場”できる。

 ユーザーが審査に参加するには,同社のストリーミング音楽プレーヤー「MidRadio Player」をダウンロードしてインストールし(無料),MusicFrontサイトで「レビューワー登録」をする必要がある。約90秒聴いて第一印象を投票する「簡易評価」と,約180秒を試聴して歌詞やメロディなど6項目を10点満点で採点する「詳細評価」の2段階が用意されている。

 曲は毎週10〜15曲程度がエントリーされるが,公平を期すため,試聴曲をリスナーが選択することはできず,自動表示される曲を順番に評価する仕組みとなっている。またリスナーが審査した曲数などもそれぞれ履歴に残るため,同じ曲に何度も投票することはできない。

 ネット審査に加え,応募ミュージシャンによるライブイベントを東京や大阪で毎月数回ずつ開催する。また10月2日からMusicFrontと連動したCS放送向け新番組「MusicFront TV」をスタートさせ,番組内でエントリー曲を紹介する。このためライブやテレビを見て審査に参加するリスナー向けに,ネット接続対応の携帯電話での投票にも対応した。


MusicFrontイメージキャラクターの「ギグリーン」(左)。名前は公募して決めた

 公開オーディションは12月中旬まで開催し,上位10〜15組程度の中から数組を「ネットデビューアーティスト」に決定。デビュー曲はネットによる有料配信に加え,キヨスク端末による販売や,系列のレコード会社によりCD販売も行う方針。また着メロ配信や電子楽譜のダウンロード販売など,同社が手がけているネット関連事業へのマルチ展開を考えている。

 ヤマハは「メディア総合戦略」の下,同社が抱えるソフトやハードを組み合わせて相乗効果を生み出す新しいビジネスの可能性を探っている。MusicFrontも当面は利益を考えてはおらず,「携帯端末による音楽配信など,インフラが整う数年後を見据えた事業」としている。

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[小林伸也, ITmedia]

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