News 2000年9月18日 10:49 PM 更新

NTT-ME,100作品以上の歴史的映画をストリーム配信

 エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)は9月18日,映画配給会社のモーションプロと共同で映画のストリーム配信サービス「WAKWAK名画劇場」を開始すると発表した。当初用意される映画は,バスター・キートンやチャップリン,ウォルト・ディズニーのアニメーションなど,1910〜1920年代のサイレントムービーを中心とする約100本。これまでにも,映画の予告編やメイキングなどをストリーム配信した例はあるが,映画本編をインターネットで配信する商用サービスとしては,従来になく本格的なものだ。

 WAKWAK名画劇場では,リアルネットワークスの配信技術を使用し,34Kbps,80Kbps,384Kbpsという3種類のビットレートを用意する。それぞれ,アナログモデム,ISDNの2チャンネル,ADSLやFTTHといった広帯域接続用だ。384Kbpsなら,「VHSの3倍モードより少しだけ劣る画質でみることができる」(NTT-ME)という。価格は,1本あたり100円から300円とレンタルビデオよりも安く設定され,また1度課金されれば,24時間の間なら何度でも視聴できる(当該映画に限る)という点はレンタルビデオに近い。また,配信される映画の中には劇場未公開の作品やパッケージ化されていないものも多く,「ここでしか見ることができない,幻の作品も多数ある」(モーションプロの堀越英樹社長)のはメリットだろう。逆に,「一般受けしない作品が多い」という声もあるが,堀越氏は「今後,ヒッチコックやコッポラの作品,ハリウッドの黄金期を築いた映画なども増やしていく」という。「既に250作品を(NTT-MEに)納入した。サイレント映画で500作品,トーキーで1000作品を出すことが可能だ」(堀越氏)。

 もっとも,当初のラインアップはモノクロ,サイレントの上,初期の映画であるが故にフレームレートも現在のものよりも少ない。したがって,ストリーム配信には適した素材といえるものの,データの重いカラー&トーキー作品がどこまでユーザーを増やせるかは疑問だ。NTT-MEも「光ファイバーやADSLなら,カラー&ステレオも可能だろう。しかし,ISDNでは無理だ」と認めており,WAKWAK名画劇場が広帯域接続インフラの普及を見越した先行投資的な意味合いが強いことを伺わせた。

 WAKWAK名画劇場のサービス開始は9月19日。WAKWAK会員以外でも,無料のビジター会員登録を行えば利用できる。なお,視聴する際にはReal Player G2 upgrade2またはver.7が必要。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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