News 2000年9月18日 08:26 PM 更新

自動調整とWeb対応を強化したPaint Shop Pro 7J

前バージョンが国内で15万本を販売したというデジタルイメージングソフト「Paint Shop Pro」がバージョンアップ。初心者でもプロ向けの機能を簡単に使えるよう,改良されている。

 ピーアンドエーは9月18日,米Jasc Softwareの開発によるデジタルイメージングソフト「Paint Shop Pro」のメジャーバージョンアップを発表した。新製品の「Paint Shop Pro 7J」は,前バージョン(Paint Shop Pro 6J)のユーザーインタフェースを継承しつつ,フィルタ数の大幅増加や,フォトレタッチ時の自動調整機能強化など,「初心者ユーザーにもプロの機能を使いやすく提供する」ことにフォーカスした製品。発表に合わせて来日した米Jasc SoftwareのCEO,Kris Tufto氏は「Paint Shop Pro 7Jで完全な“写真とグラフィックのエディタ”を提供できた」と自信を見せている。

 レタッチ時に自動調整が可能なメニューは,カラーバランス,鮮やかさ,赤目修正などだ。例えば,屋外で撮影した写真の色合いがおかしいと感じた場合,ダイアログ上の「グレーワールド」ボタンを押すだけ。これは,「屋外の色は,大抵中間色がグレーになる」(ピーアンドエー)という特性を利用したもので,自動的にグレーを中間色に設定し,全体が自然な色合いになるように調整してくれる。


ダイアログボックスの右下にあるのがグレーワールドボタン

 また,赤目修正の場合も目的の箇所(この場合は目)にカーソルを動かし,一回クリックするだけでよい。左側に元画像を,右側に処理後のプレビューを表示してくれる。


赤目修正もワンクリック

 プロフェッショナルユーザーにとって有り難いのは,25種類が新たに追加された特殊効果フィルタ(計97種類),自動バックアップ,作業状態の保存といった新機能だろう。作業状態の保存機能では,作業を中断したいときに保存メニューから「作業状態の保存」を選ぶだけで,次回起動時に全く同じ画面を表示してくれる。このほか,オブジェクトのグループ化や整列/均等配置,ガイドやグリッドへのスナッピングなど,多くの機能が追加された。

 Paint Shop Proがフォーカスする,もう1つの市場は,Webデザインだ。今回から,Web表示に合わせて減色するための「視覚最適化ツール」がPNGフォーマットに対応し,「現在サポートされているすべてのWebファイルフォーマットが視覚最適化ツールで利用できるようになった」(ピーアンドエー)。また,ブラウザでの表示を速くするために分割した画像を作成したり,1つの画像を分割してクリッカブルマップを設定したりといったことも可能だ。さらに,マウスポインタがクリッカブルマップの上に来ると表示色や画像を変更する“ロールオーバー”も設定できる。

 Paint Shop Pro 7Jは,1万4800円で11月10日に発売される予定だ。他社製品からの乗り換え版(9800円)や,アカデミック版(7800円)も用意される。対応OSはWindows 95/98/Me/NT4/2000。なお,バンドルされるGIFアニメ作成ツール「Animation Shop」もバージョンアップし,Webブラウザでのプレビューやモーフトラジションといった新機能が追加された。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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