News | 2000年9月19日 10:14 PM 更新 |
ドットシティは9月19日,現実世界にできるだけ近いものを目指したバーチャルタウン「dotcity」を開設したと発表した。dotocityは,ロールプレイングゲームのような感覚で楽しめる総合エンターテイメントサイト。ショッピングはもちろん,出会い系サイトや占いサイトの要素などが含まれている。
dotcityは,America Online(AOL)のように専用ブラウザ(Windows 98,Mac OS 8.1以降に対応)が必要となるクローズドのサービス。スタート地点である「ドット広場」を囲むように,ファッション,ヤング,OL,主婦,家電など,趣味趣向やターゲット別に14の地区が存在し,各ゾーンには,またドット広場からは,東西南北に幹線道路が伸びている。
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dotcityの俯瞰図。シミュレーションゲーム「シムシティ」のよう |
利用者は最初に,dotcity内でのプレーヤーとなるキャラクターを約100体の中から選択。そのキャラクターを操って,街で出会ったほかのキャラクターとチャットしたり,ショッピングモールで店員と会話したりすることができる。会話のシーンでは,入力した文字が吹き出しとして表示されるが,将来的にはボイスチャットシステムを導入する予定だという。
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チャットの場面。友達登録しておくと,そのキャラクターがdotcityにアクセスしているか確認できる |
さらにdotcityでは,広告の効果を向上させるために,「ドットポイント」という仮想通貨を流通させる。街頭には,アドバルーンや,看板,ならびに広告塔といった交通広告のほか,ティッシュ配りのアルバイト女性など,バーチャルシティの特性を活かした広告が展開されており,これらに触れるとポイントが加算されるシステムになっている。取得したポイントは,ゲームや占いコーナーで使用できるほか,各種特典と交換することが可能だ。
dotcityでは10月より,オンラインショッピングサービスを開始する。店舗開設にあたって必要な初期費用は,50万〜100万円。月額料金は10万〜20万円となっている。店舗のデザインや規模によって価格が変わるほか,「一等地」に店舗を構える場合は,初期費用・月額料金ともに高くなる。
というのも,dotocityでは,現実世界のように場所によって地価が異なる変動地価制の概念を導入しており,道路の通行人数やショップのアクセス数により,出店料や広告料が見直される仕組みになっているからだ。基本的に相場は,ドット広場周辺が最も高く,中心から離れれば離れるほど地価が下がる。なお,地価・広告料の改定は,4カ月ごとに行われる。
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基本の移動画面。右上が現在位置を表示。右下のコントローラでキャラクターを動かす |
サービス開始時点で,出店企業には,「DVD WORLD」の日立製作所や,dotcityの新聞社「ドットプレス」を運営する日本経済新聞社のほか,リビング・デザインセンター OZONE(インテリア),東急リバブル(不動産)など,23社が出店している。
なおドットシティでは,年末までに50万ユーザーの獲得を目標に掲げ,売り上げは,2000年度2億円,2002年には55億円を目指すとしている。当初は,dotcityへの出店料が主な収入源となるが,将来的には広告やオリジナルキャラクターのグッズ販売による収入などを拡大させていく計画だという。
数年前,VRMLを使い,3Dのバーチャルタウンを作ろうという動きがあったが,結局,メインストリームにはならなかった。dotcityのコンセプトは,それとほとんど変わらないが,低速なマシンでも利用できることにくわえ(推奨は,Pentium III/200MHz,Power PC 180MHz以上),人気のオンラインサービスを網羅しているdotcityは,大きな注目を集めそうだ。実際,サービスを開始した19日午後8時にはサーバがダウンするほどのアクセスを記録した(19日午後10時現在で復旧していない)。
ただ,ブロードバンド時代を視野に入れたサービスだけに,56Kbpsのダイヤルアップではストレスを感じるところ。「パニックボタン」(クリックでdotcityから表計算ソフトの画面に切り替わる)を用意しているところを見ると,ドットシティでは会社からのアクセスを想定しているようだ。
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