News:MSブランドを押し殺した「Office 2000年9月27日 10:30 PM 更新

MSブランドを押し殺した「Office:mac 2001」

マイクロソフトが,Office:mac 2001の製品説明会を開催。製品の位置付けや注目のEntourageについて解説した。

 マイクロソフトは9月27日,11月中旬発売予定の「Microsoft Office 2001 for Mac 日本語版」(Office:mac 2001)について,プレス説明会を開催した。約2年ぶりのバージョンアップとなるOffice 2001 for Macには,「Word」「Excel」「PowerPoint」の新バージョンが収録されているほか,電子メールと個人情報管理アプリケーションを統合した「Entourage」(アントレージュ)が組み込まれている。

 製品説明を行ったホーム&リテール製品部パーソナルシステム事業部の鶴淵忠成氏によれば,Office:mac 2001は,「マイクロソフトのブランドを押し出さないようにした」という珍しい製品だ。Office:mac 2001をはじめ,各アプリケーションも「Entourage:mac 2001」「Word:mac 2001」「Excel:mac 2001」「PowerPoint:mac 2001」と名付けられている。

 この理由について鶴淵氏は,「Macユーザーに対してマイクロソフトの名前をアピールしても意味がない」と自嘲気味に話す。ただマイクロソフトでは,Office:mac 2001はマイクロソフト製品というよりも,Mac製品開発部門であるMBU(Macintosh Business Unit)の製品だとアピールしており,Macコミュニティへのコミットメントを強調するのが狙いのようだ。

 また,米Microsoftでは,Mac製品の開発を担当するMBUだが,国内では,コンシューマー向けの製品開発を統括するマイクロソフトプロダクトディベロップメントリミテッドのインタラクティブメディア開発統括部に統合されている。「名前にOfficeと付いているが,Office 2001:macは完全に個人向けの製品のため,開発部門を統合した」(同氏)

Palmと連携するEntourage

 Office:mac 2001の注目は,今回より登場したEntourage:mac 2001だ。個人情報管理機能にくわえ,Entourage:mac 2001では,Palm端末との連携機能が目玉となっている。しかしながらマイクロソフトによれば,Office:mac 2001の製品版には収録されないもようで,「製品出荷後にマックトピアで追加コンポーネントとして配布する」と説明する。時期は未定。


Entourageは,インクリメントPの地図サービス「MapFan Web」と連動。アドレス帳の住所からダイレクトに地図データを参照することができる

 なおマイクロソフトでは,EntourageとOutlook Expressの関係について,「Outlook Expressはメーラーとしてほぼ完成の域にある。Outlook Expressにパッチや追加コンポーネントがリリースされることはあっても,今後,オフィススイートとしてWordやExcelと統合されるのはEntourageのほう」としている。


スケジュール管理画面

 このほか,Office 2001:macには,Windows標準のTrueTypeフォント(MSゴシックやMS明朝など10種類)を同梱。「Windows版で作成したフィアルを開いても,レイアウトが崩れる可能性が少なくなる」(鶴淵氏)という。また,Word 2001:macにはWindows版と同等の文章校正ツールを搭載しており,片仮名の揺らぎや同音異義語のチェックなどをバックグラウンドで行うことが可能だ(揺らぎとは,文章中に同じ単語の異なる表記があること。例えば,「キャリア」と「キャリヤ」など)。


初心者向けに,用途別のテンプレートを多く用意している

 鶴淵氏は,「Office 2001:macにはMac版独自の機能を豊富に搭載した。さらに,Office 98/Office 2000との互換性も確保している。もちろん,機能が増えたからといってOffice 98より動作が遅くなることはない」と開発が順調に進んでいることに満足している様子だ。なお価格については,Office 98が6万6800円と高価でMacユーザーの間で不評を買ったことから,「今回はWindows版と同等にする」(同氏)としている。

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[中村琢磨, ITmedia]

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