News 2000年9月27日 11:16 PM 更新

米TransmetaのCEO,日本で次世代Crusoe「TM5800」の仕様を公開

米TransmetaのCEO,Ditzel氏が来日し,来年登場予定のTM5800の仕様を公開。最高1GHzで動作することを明らかにした。

 来日している米TransmetaのCEO,David Ditzel氏は9月27日,都内で開かれた日立製作所のプライベートショー「ITコンベンション 2000」で講演を行った。この中でDitzel氏はCrusoeプロセッサのロードマップを公開,現行のTM5600の後継プロセッサ「TM5800」の仕様を正式に公開した。


Crusoeを手にしたTransmetaのCEO,Ditzel氏

 ロードマップによると,TM5800は2001年に登場する。動作クロックは600〜1000MHzで,L2キャッシュメモリは512K〜1Mバイト。製造プロセスは現行の0.18μメートルから0.13μメートルにシュリンクされる。TM5800については,低消費電力を保ったままでの1GHz動作を実現するため,Crusoeを製造しているIBMのファブが0.13μメートルプロセスに移行する来年以降に登場すると予想されていた(7月3日の記事参照)。


公開されたロードマップ

 Ditzel氏は「最初の製品発表からおよそ1年間で合わせて6製品も投入できる。これはMPUの構成をハードとソフトの2要素に分けたためシンプルになり,開発期間が短縮できたためだ」と自信を見せた。現行のTM5600のL2キャッシュメモリは512Kバイトだが,TM5800の上位製品ではその倍の容量を搭載することが示されており,さらなる高速化が期待できそうだ。IBM以外に製造委託を拡大するかどうかについては触れられなかった。

 講演でDitzel氏は,「Transmetaは,低消費電力とx86互換,優れたパフォーマンスという重要な3要素を達成したMPUを開発した初めての企業。われわれは従来のMPUメーカーと異なり,トランジスタ数が少ないことを誇りに思っている」とCrusoeのメリットと同社の技術力をアピール。

 さらに「今年1月にCrusoeを発表した際,PC製品に実装されるには9カ月かかるだろうと話した。そして9カ月たった今,現実に製品が登場している」として,日立が試作したCrusoe搭載マシンや(9月26日の記事参照)や,ソニーの「バイオC1」,富士通の「LOOX」を紹介。同社の戦略が思惑通り進行中であることを強調した。

関連記事
▼ 日立,「ITコンベンション 2000」でCrusoe搭載製品を公開
▼ Transmetaの製品ロードマップが明らかに
▼ 富士通,Crusoeを搭載の小型モバイルノートPCを発表
▼ ソニー,「バイオノート」のラインアップを一新,Crusoe搭載C1も正式発表

関連リンク
▼ Transmeta
▼ 日立製作所

[小林伸也, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.