News 2000年10月3日 11:44 PM 更新

IMT-2000よりもBluetooth!――CEATEC JAPAN携帯電話レポート

CEATEC JAPANでは,Bluetooth対応の携帯電話が大きな注目を集めている。IMT-2000対応端末のモックも華やかに飾られてはいるが,大きな進展はなし。

 10月3日に千葉・幕張メッセで開幕した「CEATEC JAPAN 2000」では,携帯電話+Blutooth関連の参考出展が大きな注目を集めている。また,次世代携帯電話「IMT-2000」については,やはり人気は高いものの,モックアップやサービスイメージの宣伝がほとんどで,特に目新しい内容はなかった。

Bluetoothに注力するツーカー

 KDDIブースに出展しているツーカーは,Bluetoothアダプタを装着した携帯電話から,SolidAudio対応のヘッドホン型オーディオプレーヤーを操作するデモを行っている。携帯電話のダイヤルボタンで再生・停止といった操作ができるほか,スピーカー部分には通話ボタンを装備しており,音楽を聴いている状態のまま会話へと移ることが可能だ。BluetoothモジュールとSolidAudioプレーヤーは神戸製鋼所が開発し,ツーカーは携帯電話のインタフェース部分を担当した。ツーカーの担当者によれば,「将来的には,Bluetoothモジュールを内蔵させたいが,コスト的なことを考えると,当初は別売りのオプションという形で提供する」という。なお,製品化の時期については,「市場動向にもよるが,早くて2001年半ば」とのことだった。


本体下部にBluetoothアダプタを装備する

 またツーカーは,ジャパン・トータルデザイン・コミュニケーション(JTDC)と共同開発したBluetooth対応のハンズフリーヘッドセットのモックアップも出展。こちらは,イヤホン端子に接続するタイプで,Bluetoothアダプタは背面に装着する。JTDCでは,「自転車に乗りながら携帯電話が使えます」とアピールしていたが,街なかで使った場合,ほかのBluetooth対応携帯電話の利用者と混信することはないのだろうか。担当者によれば,「基本的には,携帯電話にヘッドセットとBluetoothモジュールを同梱する予定。両方にあらかじめPINコードを埋め込むことで,1対1の関係を構築する」ため,混信の心配はないという。


Bluetoothを活用したハンズフリーシステム

 また,同じくKDDIブースに出展しているauは,自動車電話向けのBlutooth対応ハンズフリーセットをデモ。DDIポケットは,TDKが開発したPHS向けのBluetoothアダプタを参考出展している。いずれも価格・発売日は未定。


DDIポケットが参考出展していたTDKのBluetoothアダプタ

 Bluetooth関連以外では,DDIポケットがパケット通信/回線交換の自動切り替えが可能なモデムカードを参考出展している。パケット通信は128Kbps,回線交換は32/64Kbpsに対応し,データの容量によって通信方式をダイナミックにチェンジできるという。「例えば,大容量の画像をダウンロードするときは回線交換の64Kbpsで,メールを受信する場合はパケット通信というように,料金がやすい方を選択する」(DDIポケット)。なお,製品化の予定については,「今年度中」(同社)とのことだった。


パケット通信/回線交換の自動切り替えが可能なモデムカード

松下はW-CDMA+Bluetoothを提案

 松下電器産業は,携帯電話+Bluetoothアダプタを使い,Bluetoothカードを装着したノートPCでインターネットにアクセスするデモを行っている。製品化については,ツーカーと同様に2001年半ばとしているが,「消費電力やインタフェースなど,解決しなければならない課題は多い」(松下)と話す。ツーカーのように,接続相手を限定すれば話は簡単だが,複数の機器でやりとりする場合,「操作が頻雑になり,使い勝手が悪くなる」(同社)ためだ。


Bluetoothを装着したPHSでインターネットにアクセス

 松下は携帯電話アダプタ以外に,ゲーム機や,ヘッドホン型オーディオプレーヤー,ならびに腕時計型のBluetooth対応製品を出展(いずれもモックアップ)。同社には,こうしたBluetooth対応機器を「子」と位置付け,Bluetoothモジュール内蔵のW-CDMA対応携帯電話を「親」とするネットワークを構築する計画がある。例えば,鞄の中に携帯電話を入れたまま,腕時計やゲーム機でインターネットにアクセスするというような使い方を提案しているわけだが,その場合,「Bluetoothということを意識させないような,シンプルで使いやすいインタフェースが鍵となる」(同社)。


Bluetooth対応のゲーム機やヘッドホン型プレーヤーなど

 また松下ブースでは,次世代携帯電話サービスについて,MPEG4の通信速度別クオリティ比較(64Kbps/384Kbps/2Mbps)を実演。ただモックアップを展示するだけでなく,具体的なイメージを持てるように工夫している。なお同社は,2001年5月にNTTドコモが開始する「W-CDMA」向けに端末を出荷する予定だが,「カメラ付きや大型液晶モデル,ならびにPCカードタイプなど,数種類のバリエーションを用意する」(同社)という。

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[中村琢磨, ITmedia]

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