News 2000年10月4日 11:39 PM 更新

今年はカット紙でも四辺フチなし,エプソンがカラリオの新製品を発表

エプソンが,カラリオプリンタの新製品を発表。全モデルでカット紙での四辺フチなし印刷を実現した。

 セイコーエプソンは10月4日,インクジェットプリンタ「カラリオ」の新製品4機種を発表。今回登場したのは,A4対応の最上位機種「PM-900C」,A4対応の普及モデル「PM-880C」,A3ノビサイズ対応の「PM-3500C」,そして低価格モデルの「PM-780C」だ。

 今年のモデルでは全機種において,ハガキやA4サイズのカット紙で四辺フチなし全面印刷を実現したのが特徴。従来は,ロール紙,またはミシン目の入った用紙が必要だったが,左右上下に少しずつ用紙をはみ出してインクを吐出することで,カット紙でも四辺フチなし印刷ができるようになった。さらに,PCの色領域では正しく表現できないエメラルドグリーンなどの自然色を補完する「エプソン・ナチュナルフォトカラー」技術を新たに搭載した。

 さらに,標準付属のロール紙ホルダを改良。ロール紙のたわみを抑える設計にしたほか,カット紙用のシートガイドと同時に利用できるようになった(PM-780Cを除く)。

 なお,いずれの製品もインタフェースにはパラレルとUSBを装備。OSは,Windows 95/98/Me/NT4.0/2000,ならびにMac OS 8.1以降に対応する。

極小2ピコリットルのPM-900C

 PM-900Cは,キヤノンが高画質・高速印刷をアピールする「BJ F870」の対抗モデルだ。まず画質について,解像度は現行のハイエンド機「PM-820C」と同じ1400×720dpiのままだが,2ピコリットルという極小インクサイズを実現した。さらに,CMYK,ライトシアン,ライトマゼンダの6色に,「ダークイエロー」という7番目のインクを追加。シャドー部分で粒状になりがちな黒インクを代替することで,より細やかな表現が可能になったという。

 また印刷速度については,PM-820Cの2倍となる96個のインクノズルを実装して,印刷時も2分の1に。A4フォト用紙に印刷した場合,1枚あたりのプリント時間は1分39秒となる。


CD-R印刷のサンプル
 印刷速度・画質以外の新機能としては,CD-Rレーベル/ボード紙への印刷が可能になったことが挙げられる。PM-900Cでは手差し印刷において,最大25ミリの厚紙プリントに対応。厚紙の中央部分をCD-Rメディアの形にくり抜いたアダプタ(別売り:2000円)を使えば,CD-Rに直接印刷することができる。また同梱の「EPSON CD DirectPrint」では,オリジナルデザインのCD-Rを作成することも可能だ。なおエプソンでは,TDKまたは日立マクセルのレーベル面が白いCD-Rメディアを推奨している。

 価格は6万9800円。10月21日より販売を開始する。

 PM-880CならびにPM-3500Cは,それぞれPM-820Cと「PM-3300C」の後継機種という位置付け。デザインが一新されているが,6色インクと最小4ピコリットルのドロップサイズはそのまま継承した。また,PM-780Cは,女性や初心者ユーザーをターゲットにした製品で,基本的は性能はPM-880Cと同等。半透明の排紙トレイが特徴的だ。この製品だけロール紙印刷に対応していない。


PM-880C(左)とPM-780C

 価格は,PM-880Cが5万4800円,PM-3500Cが7万9800円,PM-780Cが3万4800円。発売日は,PM-880C/PM-780Cが10月7日,PM-3500Cのみ10月21日となる。

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[中村琢磨, ITmedia]

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