News | 2000年10月18日 09:58 PM 更新 |
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Lモードの“L”は,「Living」「Lady」「Local」「Large」(ボタンや文字が)を意味するという |
Lモードは,加入電話とINSネット(ISDN)契約者を対象に,家庭用の電話機やFAXを利用して文字や画像を中心とした情報とメール機能を提供するサービス。予定しているコンテンツのイメージは,
メールサービスは,最大2000字のメールをやりとりできる「Lメール」,最大40字の簡易メール「Sメール」(INS加入者のみ)の2種類が用意される。メールアドレスは「電話番号@pipopa.ne.jp」。1電話番号につき1アドレスが与えられ,複数のアドレスを1加入線で持つにはINSのダイヤルインサービスなどを利用する必要がある。電話番号部分は任意の文字列に変更可能だ。
iモードの「Phone To」「Mail To」機能に加え,クリック一発でFAXが利用できる「FAX To」機能を搭載。FAXで詳細情報や行政の申請用紙をプリントアウトできるようにする。FAXは電話のプリンタと位置付け,各種取引の明細をプリントアウトしたりといった利用を考えている。
接続スピードはアナログ回線が9600bps,INSが32Kbps。利用にはLモードに対応した端末が必要。対応端末は液晶ディスプレイとWebブラウザ,メール機能に加え,一押しでネット接続が可能な「Lモードボタン」を装備する。またボタンを大きくするなど,高齢者などでも簡単に操作できるような仕様を目指している。
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Lモード対応端末のモックアップ |
対応端末はサービス開始と同時期にNTTやメーカー各社から発売される予定で,価格は「現在市販されている電話機と比べると高くなるが,価格差は5000円以下にとどめる」(同社)としている。
基本料金は月額500円以下を予定。有料コンテンツも月額数百円に限定する方針。コンテンツプロバイダー向けに料金回収代行も行う。通信料は通常の料金体系が適用される。アクセスポイントの整備を進め,加入者の8〜9割は市内料金でアクセスできるようにする考えだ。
システムはほぼiモードと同じ。東西地域会社は,それぞれ1カ所ずつ専用ゲートウェイを設け,ユーザーは対応端末からアクセスポイントを通じてゲートウェイにアクセスする仕組みだ。「iモードの教訓は生かす」(同社)とし,システムの二重化などダウンタイムをなくすよう努めるという。
コンテンツもiモードと同じCHTMLで記述され,iモード用コンテンツをほぼそのまま転用可能という。NTTドコモ公認のiモードサイトはゲートウェイが異なるため閲覧できないが,非公認のいわゆる「勝手サイト」は対応端末で表示できる。ただし一部コンテンツで文字化けなどが生じる可能性はあるという。Java対応はユーザー層を考えて見送った。
NTT東日本営業部ネットワークサービス部門の大賀公子担当部長によると,Lモードの企画がスタートしたのは,iモードの加入者が100万人を超えた昨年8月ごろ。iモードを試しに利用してみた年配層から「文字やボタンが小さくて使いにくい」との苦情が相次いだのがきっかけだという。そのため,ディスプレイとボタンを大型にできる家庭用電話機を使った情報サービスのニーズを同社で調査したところ,およそ1/3のユーザーが「利用したい」と回答。「1/3というと少なく見えるが,全体では1000万世帯のニーズがあるということ」(大賀担当部長)としてサービス開始に踏み切った。
ただ「いかに安価な対応電話機を発売できるかがポイント」(同)であり,対応端末の普及がLモード成功の鍵となるのは間違いない。この点について同社は「ナンバーディスプレイ対応機種も当初は高価だったが,現在は安価な機種でも対応している。買い換えも年間150万台程度ある」(同)と見ている。150万ユーザーが加入した場合,NTTにとっては50〜100億円程度の増収になると計算している。コンテンツ確保もこれからだが,「iモードのコンテンツプロバイダーからも前向きに検討してくれている」(同)と自信を見せている。
例を見ないスピードで普及したiモードの加入電話版となるLモード。手軽な情報サービスに対する高齢者や主婦層のニーズはありそうだが,iモードの成功はそれがモバイルであるという点も見逃せない。Lモードがiモードと同様に普及し,「これからは帰るコールではなく“帰るメール”」(同)という国民総ネットユーザー時代が到来するのか,注目される。
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