News 2000年11月1日 07:03 PM 更新

ウワサの低温ポリシリコン「InterLink」を見てきました(1)

日本ビクターがHandheld PC2000搭載の「MP-C303」を発表した。実機を見てのファーストインプレッション。

 日本ビクターは11月1日,A5サイズのHandheld PC「InterLink」の上位モデルを発表した。これは,10月の「CEATEC JAPAN」や「WORLD PC EXPO」に出展され,注目を集めた製品。マイクロソフトの「Windows Powered Handheld PC2000 日本語版」(10月10日の記事を参照)を搭載し,AV対応を中心に機能・外観ともに大幅な変更が加えられた。他社のHandheld PC2000搭載モデルが従来機種のマイナーチェンジであるのに対し,InterLinkは唯一設計から見直された製品だ。また,ワイドSVGAの液晶パネルなど,独自の拡張が加えられたという点でも注目に値する。今回は,発表直後のビクターにお邪魔して実機を見せてもらった。


ちょっと派手なアクアブルーとサニーオレンジのきょう体。コンパクトフラッシュType IIスロットはきょう体前面にある

 新モデルの「MP-C303」は,従来機種と同じくマグネシウム合金製の外装を使用した高級感のあるデザイン。ただし,液晶を閉じた姿は従来機種と同様だが,ディスプレイを開くと鮮やかなアクアブルーが現れる。ビジネス用途には少し派手だ。日本ビクターAV&マルチメディアカンパニーITネットワーク事業統括部企画グループの三澤邦子グループ長によると「ターゲットは20〜30代の男女。会社ではPCを使うが,プライベートのメールや趣味の用途に1台欲しいという層を狙っている」という。また,従来機ユーザーの2割を女性が占めているということもあり,今回はサニーオレンジのモデルもラインアップされた。

 きょう体には,PCカードスロットやUSBといった従来からのインタフェースに加え,コンパクトフラッシュType IIのスロットが前面に装備された。これにより,IBMの「Microdrive」やNTTドコモの「P-in Comp@ct」にも対応できる。サイズは,217(幅)×153(奥行き)のジャストA5。ディスプレイを閉じたときの高さは24ミリと,従来機(18ミリ)に比べると少し厚くなった。これは,液晶パネルとバッテリーの干渉を防ぐためだ。「従来機のユーザーから,きょう体と液晶パネルは180度開く方が使い勝手が良い,という指摘を受けた。それを実現するため,若干ながら厚くなっている」(三澤氏)。

 液晶が大型化されたこともあり,従来機より重くなっているが,それでも電池を含んで740グラム(従来機は735グラム)に抑えた点は評価できるだろう。なお,CPUに関しては「MIPS RISC」と表記されているだけで,詳細な情報は公開されていない。同社では「現在最速のものを使っている」と話している。


インタフェース類のカバーは脱落しないようになっている。外すことも可能


バッテリーは専用リチウムイオンタイプ。非通信時で約6時間持続する


キーピッチは15ミリと,NECの「MobileGear II」に比べて若干狭い

独自強化のメリットとデメリット

 最大の特徴である7型の低温ポリシリコンTFT液晶は,ワイドSVGA表示(1024×600ピクセル)と最大26万色の同時発色をサポートする。液晶画面のサイズはもとより,その鮮明さは,従来のHandheld PCにはなかったものだ。

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