News 2000年11月8日 10:26 PM 更新

Microsoftだけじゃない! ──FIC,Crusoe搭載タブレットPCを先行展示

何かと話題のTransmetaだが,インフォメーションアプライアンス向けのTM3400のほうは順調に受け入れられつつあるようだ。

 マザーボードベンダーとして知られる台湾のFICグループは,11月8日,Bluetooth製品やインフォメーションアプライアンス(IA)機器を都内のホテルで披露した。これらは13日から開催される米COMDEX/Fallで展示されるものだ。

 FICは,IAも積極的に開発していく。同社のIAには,米TransmetaのCPUを利用した「Aqua」シリーズとナショナルセミコンダクターのCPUを採用した「Genesis」シリーズの2系統がある。

 展示された「Aqua2」は,TransmetaのCrusoe TM3400/500MHzを搭載したタブレット型のインフォメーションアプライアンス。FICのプロダクトマネジャーのTony Liu氏によると,Crusoeを採用することで,PCアーキテクチャながらも長時間のバッテリー駆動を可能にしたという。「CrusoeはナショナルセミコンダクターのGeodeよりもハイパフォーマンスだ」(Tony Liu氏)。


外見は巨大なPocket PCという雰囲気のAqua2

 Aqua2は,リチウムイオンバッテリーを搭載し,6時間の連続稼働が可能だ。重量は700グラム。タッチパネル付きの8.4型TFT液晶ディスプレイを持ち,Type IIのPCカードスロット,USBなどを装備する。

 ハードウェア的には完成しているが,現在OSとして採用しているモバイルLinuxのチューニング中。発売は2001年の2月から3月を予定している。

マザーボードメーカーもBluetoothに食指

 会場では,Ericsson,Silicon Wave,CSRのチップセットを使ったBluetooth機器のサンプルが展示され,将来のノートPCへの搭載も含めたロードマップも公開された。サンプルは2001年第1四半期に製品化を予定している。価格は未定。PCカードのBluetooth機器に関しては間もなく開発が完了する。

 CSR製のチップセットは,無線部とベースバンド部を初めてワンチップ化したもの。Ericssonのチップセットは,ワンチップ化はされていないもののBluetoothのチップセットとしては世界で最も早く公開された。Intelが米「Intel Developer Forum Spring 2000」でプレスに公開したBluetoothソリューションでも使われたメジャーなものだ。


展示されたBluetooth機器。USBまたはシリアルでPCと接続される。使用しているチップセットは,写真上から,CSR,Silicon Wave,Ericsson製。実際に接続のデモンストレーションも行われた

Direct RDRAMはやはり不人気

 また,FICはPentium 4とBrookdaleチップセットを使い,PC133メモリを利用したスリムPCを2001年の後半に発売するという。名称は「Sabre XXXX」。同時期に,CPUにDuron(800MHz以上),チップセットにVIAの「KM133」を採用したスリムPCも発売予定だ。

 FICのスリムPCの営業担当,Doris Yu氏によると,「Pentium 4のスリムPCに関しては,VIAのチップセットとIntelのBrookdaleを考えている」という。VIAのチップセットとは,来年登場するPX266を指している。PX266は,DDR SDRAM対応になるとみられているPentium 4用のチップセットだ。Brookdaleは,PC133 SDRAMに対応するといわれているPentium 4用チップセット(7月26日の記事参照)。

 一方,Pentium 4と同時に発表されるとみられる,Direct RDRAM専用のIntel 850チップセットに関して聞いてみた。すると,その存在を忘れていたかのように「……テスト中」というつれない返答。やはり,Direct RDRAMはマザーボードメーカーやPCメーカーに人気がないようだ。


スリムPCにもPentium 4は入ってくる。「熱対策が目下の問題。Pentium 4でもCPUファンは使わない」(Yu氏)(拡大画像

 なお,米COMDEX/Fallでは,FICによるPentium 4関連製品の展示予定はない。

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[斎藤健二, ITmedia]

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