News | 2000年11月9日 08:56 PM 更新 |
情報処理振興事業協会(IPA)は11月8日,2000年10月のコンピュータウイルス発見届け出状況を明らかにした。これによると,届け出の件数は過去最高の906件に上り,「I Love You」ウイルスが猛威をふるった2000年5月の記録(900件)を上回ったという。また,感染届け出件数も268件と,過去2番目を記録した。
IPAの調査によると,10月は新種「W32/MTX」の届け出が223件と激増し,その感染被害も111件と,届け出件数の5割を占める高い確率だったという。W32/MTXは,メールに添付されているファイルを実行することで感染するトロイの木馬型ワーム。感染すると,ウイルス自身を複製するとともに,システム起動時にウイルスプログラムが実行されるよう,レジストリを書き換えてしまう。当初は何事もなかったかのように見えるものの,多くのシステムファイルに感染が広がるため,HDDを初期化することになる。
また,感染すると,メール送信時に同じ宛先にもう1通,ウイルスを添付したメールが送信される(メーラの種類は問わない)。これは,昨年流行した「W32/Ska」(俗称:Happy99)と同じ増殖方法だ。メールを送信した日付により,添付ファイル名が変わるため(参考),判別しにくいのが特徴だ。関連情報は,各アンチウイルスソフトメーカーのサイトなどに掲載されている(下記の関連リンクを参照)。
このほか,10月は米Microsoftへの不正侵入に利用されたトロイの木馬「W32/QAZ」も34件の届け出があったという。
関連リンク
IPA
IPAの「W32/MTX」情報
トレンドマイクロの「W32/MTX」情報
日本ネットワークアソシエイツの「W32/MTX」情報
シマンテックの「W32/MTX」情報
JCSAの「W32/MTX」情報
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