News 2000年11月10日 09:29 PM 更新

ローソンのネット戦略,「クリック&モルタル」を強調

ローソン・イープランニングの青木輝男氏が eBiz-Ex基調講演でローソンのネット戦略について語った。

 千葉・幕張メッセで開催中の「eBiz-Ex 2000 TOKYO」。11月10日に行われた基調講演では,ローソン・イープランニング副社長の青木輝男氏が「ローソンの Click&Mortar戦略〜eCommerce取り組みへの展望」と題して,注目を集める「日本型EC」の実現に向けたローソンの戦略について語った。ローソン・イープランニングは,ローソンのEC事業を担当する企画会社。

 今更ではあるが,Click&Mortar(クリック&モルタル )とは,ネットと実際の店舗を組み合わせた電子商取引を展開しようという戦略。例えば,店舗を持たないAmazon.comに対し,ライバルのBarnes&Nobleは実際の書店を有効活用という構図で見ることができる。商品の引き渡しをはじめ,店頭にマルチメディア端末を設置してオンラインショッピングをできるようにすることで,ドットコム企業と差別化を図ろうというわけだ。特に国内では,全国各地に店舗を置くCVSが「日本型EC」として注目を集めており,青木氏もコンビニの有望性を大いに強調した。

 ローソンは,ネット上のコンビニ「@LAWSON」,店頭のマルチメディア端末「Loppi」,ならびにiモード端末向けの「アイ・コンビニエンス」という3本柱を中心に据え,EC事業を展開する構え。決済には,オープンなプラットフォームとして「econtext」を用意している。特に青木氏は,NTTドコモや三菱商事と組んで来年3月より提供するアイ・コンビニエンスについて「他社との大きな差別化になる」と自信を見せる。「アイ・コンビニエンスは,24時間どこでも利用できる1300万台のLoppiだ」(同氏)

 ローソンだけなく,セブン・イレブン-ジャパンの「セブンドリーム・ドットコム」やファミリーマートの「ファミマ・ドットコム」など,CVS各社がしのぎを削る日本型EC市場。ただ,ネット上では同業者のヤフー・ショッピングや楽天におされ,各社とも現実世界のような強さが発揮できずにいる。決済/配達のプラットフォームを公開している以上,コンビニ自体がクリック&モルタルを実践する必要はないとの見方もできる。

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[中村琢磨, ITmedia]

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